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働くを、近くに感じる特集記事

美容師の転職・退職
【サンプルあり】美容師の履歴書の書き方・志望動機・提出方法
2024.08.29 UP


就職・転職活動において履歴書の書き方で困ったことはありませんか?こちらでは美容師の転職に必要な履歴書の書き方を紹介いたします。


1.履歴書の基本

1-1. 履歴書のフォーマットを選ぶ

履歴書にはさまざまな種類・形式・サイズがあります。応募先からの指定がなければどの履歴書を使っても問題ありません。しかし新卒者と中途採用者ではアピール内容も異なりますので、自分に合ったフォーマットを選びましょう。

履歴書の種類

<ベーシック(厚生労働省推奨)>

2021年4月より厚生労働省が公正な採用選考をおこなうことを目的に作成されたフォーマット。「性別」が任意記入、「通勤時間」「扶養家族・配偶者」などの欄がないことが特徴。「学歴・職歴」欄が広く設けられているため、転職回数の多い人にもおすすめ。


<新卒者・職歴の少ない人向け>

「学歴・職歴」欄が狭く、その代わりに「趣味・特技」「スポーツ・クラブ・文化活動」「自己PR・長所」などの欄があるものがおすすめ。新卒者の場合は、学校指定の履歴書を使ってもOKです。


<中途採用者・転職回数の多い人向け>

「学歴・職歴」欄が広く設けられているものがおすすめ。「退職理由」を記入する欄が設けられているタイプもある。


<パート・アルバイト向け>

「希望勤務日・時間帯」欄が設けられているものが便利。「志望動機」欄をはじめ全体的に記入欄が狭く、書く文量が少ないのが特徴。

参考:厚生労働省推奨の履歴書(様式例)


履歴書の入手方法は、コンビニやスーパー、書店などで購入のほか、インターネット上の求人サイトなどで無料配布しているものをダウンロード可能です。

★履歴書のサイズ

A4サイズ(ヨコ210ミリ×タテ297ミリ)と、ひと回り小さいB5サイズ(ヨコ182ミリ×タテ257ミリ)の2種類があります。サイズの指定がない場合、どちらを選んでも問題ありません。


A4サイズはB5サイズに比べて、各項目(学歴・職歴、志望動機・自己PRなど)の記入スペースが広いため、内容を充実させたい人はA4サイズを選びましょう。


1-2. 作成は手書き・パソコンどちらが良い?

形式・提出方法が指定されている場合は従いましょう。履歴書といえば手書きをして郵送や手渡しというイメージもありますが、パソコンでのデータ作成やメール送付も可能なケースが増えています。


《パソコン・スマホでの作成は時間の有効活用ができる》

最近ではパソコンやスマートフォンで履歴書が簡単に作成できるツールやアプリもあります。データを保存・編集できるツールを使えば、手書きのように書き損じによる書き直しの手間もなく、複数エントリーする場合でも使い回しができて便利です。作成したデータはネットプリントでの印刷が便利です。

★パソコンの場合の注意点

文字サイズ・フォントは統一する

パソコンで作成する際は、文字サイズやフォントを統一して読みにくさがないようにしましょう。文字サイズやフォントの統一によって、担当者が読みやすくなり好印象を与えます。


会社ごとにデータを保存・コピーを取っておく

履歴書の内容は面接の質問材料になります。会社ごとに分けてファイルを保存しましょう。パソコンで作成すると使い回しは簡単ですが、他社に応募したものを誤って再度利用する可能性があるためです。

※手書きの場合でも、どのような内容を記述したのか見直すため手元にコピーして残しておくと安心です。

★手書きの場合の注意点

修正テープ・修正液 

応募書類を書き損じた場合、修正テープや修正液は使わずに書き直しましょう。

同じような条件の応募者が複数いて、不備のない綺麗な履歴書と、修正テープが使われた履歴書があった場合、修正テープを使っていない履歴書の方が心証は良いのではないでしょうか。


筆記具について

鉛筆やシャープペンシル、消せるボールペンの使用はNGです。黒色のペンかボールペンを使用します。また、インクかすれやにじみにも注意しましょう。油性ペンやゲルインクのボールペンを使用してください。水性インクのものは、文字がにじむ可能性があります。手書きの字に自信がなくても、読みやすさを意識してていねいに楷書体で記入しましょう。


書き損じを減らすための工夫としては、あらかじめ全体を整理し作成した「見本の履歴書」を作成し鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書するといった方法があります。コピーした履歴書での練習もおすすめです。


1-3. 誤字脱字のチェックを忘れずに

誤字脱字はNGです。たくさんの履歴書を見ている採用担当者は、小さな誤字脱字でもすぐに気づきます。未記入にも注意しましょう。手書き・パソコン、どちらの履歴書でも大事なポイントは書き終えたあとに誤字脱字のチェックをすることです。一度声に出して読んでみることで、見逃しがちなちょっとしたミスを事前に防ぐこともできます。


提出期間に余裕がある方は、家族、学校の先生、友人などの第三者に履歴書を読んでもらい、気になる点を指摘してもらうことも有効です。誤字脱字でアピールしたい項目を読む前に印象が悪くなる可能性もあります。送付前に見返して、ミスがないか確認してください。


2.美容師の履歴書の書き方

2-1. 項目別



項目別にポイントを紹介します。書き方のルールや証明写真を撮影するときの服装・身だしなみのマナーを覚えておきましょう。


①日付

履歴書を書いた日付ではなく、提出する日付を記入。郵送の場合は投函する日付を記入する。他の応募先に持参した、日付の古い履歴書の使い回しはNG。


②氏名

見やすく大きな字を心がける。苗字と名前の間にスペースをあけて書くのが望ましい。


③生年月日・年齢

和暦・西暦を書類全体で統一する。「満◯歳」となっているものは、提出日時点での年齢を書き込む。


④住所

必ず都道府県から書き、番地やマンション名も省略せずに記入する。ふりがなは都道府県と市区町村(番地の前)まででOK。マンション名に難しい漢字が入っている場合は、ふりがなを振る。


⑤連絡先

つながりやすい携帯電話の番号を記載。普段使用しているメールアドレスも記入する。


⑥写真

証明写真は3ヶ月~半年以内に撮影したものを使用するのが一般的。写真がはがれたときのために、裏面に「氏名+撮影日」を記入する。スナップ写真の切り抜きやプリクラなどは使用しない。

★ポイント

・暗いイメージを持たれないよう、自然な笑顔を心がける

サロンの雰囲気に合わせた私服を着用する

・社会人としてのマナーを意識する

・派手なアクセサリーや濃いメイクは避ける

・前髪で目が隠れないようにする

⑦学歴・職歴

学歴と職歴を分けて記載する。和暦・西暦はどちらでも構いませんが、履歴書内で統一しましょう。年・月の欄に「年」「月」の記入は不要です。


学歴は高等学校以降の入学・卒業を記入。「◯◯高校」ではなく、正式名称で「◯◯高等学校」と表記。原則として高等学校 入学から記入します。新卒の場合は、通っている学校を「卒業見込み」と記入しましょう。


職歴は入社ならびに退職の年月を時系列に沿って記入。美容師以外の職歴も正しく書く。勤務していたサロンの規模や役職なども記載すると、より丁寧です。

学生時代のアルバイト歴を記載する必要はありません。ただし、美容関係のアルバイトなど選考時にアピールできる勤務先の場合は記載しましょう。

フリーランスの職歴があれば、その期間も記載すると良いでしょう。


学歴・職歴の記載が終わったら、職歴の最後の行に「現在に至る」と記入し、その一行下に右寄せで「以上」と記入。退職が決まっている場合は、職歴欄の「現在に至る」の隣に退職予定日を記入しましょう。

★ポイント

・学校、学部、学科名は正式名称で

・転職した場合は正しい年月と企業名を

・すべての経歴を記載し終わったら、最後に「以上」を忘れずに

・派手なアクセサリーや濃いメイクは避ける

・前髪で目が隠れないようにする

■短い職歴は省略してもいい?

入社1年未満での早期離職の職歴がある場合、「書くべきかどうか迷う」「悪い印象を与えたくない」という人は多いはず。明確な決まりは定められていませんが、短い職歴についてもすべて正確に記載しましょう。

万が一、保険や年金の加入実績から過去の職歴がわかった場合、担当者によっては経歴を偽られたという印象を与えてしまいます。


早期退職を隠すのではなく、理由を明確に説明して、失敗や反省点を今後に活かして働きたいという前向きな姿勢を見せることが大切です。


■退職理由

「一身上の理由により退社」と書くのが一般的で、具体的な理由は書かなくても問題ありません。すでに退職日が決まっている場合などは「退職予定」と書きます。職歴の最後には「現在に至る」と記入しましょう。賞罰がないときは、「以上」と右詰めで記入します。


⑧免許・資格

免許・資格名は正式名称で記載しましょう。記載順に決められたルールはありませんが、先に運転免許を取得順に書き、その他の免許・資格を取得順に書くと見やすくなります。

(*詳細は2-2を参照)


⑨志望動機

履歴書の志望動機は「学歴・職歴」「免許・資格」などの情報に加えて、仕事に対する熱意・考え方を伝える重要な項目です。


「なぜそのサロンを志望するのか」という理由を、自身の経歴やサロンの特徴と結びつけて書くことで、より説得力を持たせることができます。


「何を書けばいいかわからない」という人は後述の「3.(サンプルあり)美容師のパターン別・志望動機」を参考にしてください。


■正しい「敬称」はどれ?

履歴書や面接において、意外と間違えやすいのが「敬称」です。正しい「敬称」の使い分けをマスターしましょう。

★ポイント

「貴社」

書き言葉のため、履歴書や職務経歴書などの書面で使用する。


「御社」

話し言葉のため、面接のときに使用する。

⑩本人希望欄

絶対に譲れない勤務条件や待遇がある場合を除き「貴社の規定に従います」と記入。給料や待遇などの希望は、選考が進んだ段階で担当者に直接交渉することが一般的です。


在職中で電話の対応時間が限られる場合は、連絡可能な時間帯を書いておくとより丁寧です。


2-2. 資格名称一例

主な免許・資格の正式名称や記入する順番をこちらで確認できます。また、美容師と関連のある資格は「取得」と「合格」が混同されやすいため、正確に記入しましょう。


記入順にルールはありませんが、運転免許とその他の資格を交ぜずに書くのがスタンダード。先に運転免許をまとめて取得順に書き、その他の免許・資格はその後に取得順に記入していくのがいいでしょう。

■自動車免許→普通自動車第一種運転免許 取得
■美容師免許 取得
■理容師免許 取得
■その他美容学科・理容学科で取得可能な資格一例
・文部科学省後援 色彩検定○級 合格
・東京商工会議所 カラーコーディネーター検定試験〇級
(2019年以降はスタンダードクラスまたはアドバンスクラス)
合格
・色彩技能パーソナルカラー検定〇級 合格
・JNECネイリスト技能検定〇級 合格
・JNAジェルネイル技能検定〇級 合格
・社団法人JMA日本メイクアップ技術検定試験〇級 合格
・公益社団法人日本アロマ環境協会 アロマテラピー検定○級 合格
・JBCAビューティ・コーディネーター検定〇級 合格
・日本化粧品検定〇級 合格
・文部科学省後援ビジネス能力検定ジョブパス〇級 合格
・普通救命講習 修了


3.(サンプルあり)美容師のパターン別・志望動機

求職者のステータスや応募先によってアピールポイントは異なりますが、基本的な文章構成は共通します。


・結論を簡潔に書く

なぜこのサロンを選んだのか、美容師として働きたい理由は?


・結論に至った経緯を書く

結論の根拠を書きましょう。具体的なエピソードを盛り込み、他の応募者との差別化を図るのがポイントです。


・入社後に貢献できる内容を書く

採用者は「この応募者を採用したらどんなメリットがあるのか」「どのように利益をもたらしてくれるのか」をチェックします。自分の希望だけではなく、これまでの経験やスキルを生かしてどのように貢献できるかを伝えましょう。


・仕事への意欲や熱意を伝えて好印象に

どんなに高い技術を備えていても、心構えや意欲が十分でなければ採用には至りません。特に美容師として就業経験がない人は、経験不足を熱意・努力でカバーする必要があります。「どのような美容師を目指したいか」「どんなふうに技術を磨いていきたいか」をしっかりと伝えることで、説得力が加わります。


自分のキャリアプランを伝える手も有効ですが、その会社のビジョンや方向性と乖離があれば、逆効果になる点にも留意しましょう。

志望動機にどのようなことを書けばいいか、以下の「パターン別・志望動機」を参考にしてみてください。志望動機が思いつかない場合はサロン見学や企業研究でサロンの理解を深めましょう。


3-1. 新卒・未経験者の志望動機サンプル

こちらのサロンを客として利用した際、スタッフ皆さんの技術力の高さと接客の丁寧さに感動し、こちらで働きたいと志望しました。美容学校に通いながらサロンでアルバイトをしていたため、接客やアシスタント業務には自信があります。足りない技術や知識は積極的に学び、一日も早くスタイリストとして活躍できるよう精進していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

新卒・未経験者の場合は、その人自身の人間性や考え方が重視されます。 「人柄がわかるエピソード」 「なぜ美容師になりたいのか」 というポイントを伝えましょう。


新卒や未経験で、技術や知識が伴わなくても 「積極的に勉強していく意欲がある」 ことをアピールしましょう。


3-2. 経験者の志望動機サンプル

スタイリストとして3年の経験があり、特にメンズカットが得意です。カット・カラー・パーマはもちろん前職で培ったヘッドスパ等のリラクゼーションメニューでもレベルの高いサービスを提供できると自負しています。人気エリアの中でも特に技術力・知名度共に高い貴社で、一から挑戦したいと考え志望いたしました。

美容師としての実務経験がある方が転職する場合は 「活かせるスキルや以前の役職」「現在の職場やほかのサロンではできないこと」 を志望動機としてアピールしましょう。


3-3. 異業種から美容師に転職するときの志望動機サンプル

美容学校卒業後、一度はアイリストとして3年間勤務していました。新人教育などを任されやりがいもありましたが、やはり美容師への道を諦めきれず転職を決意しました。

美容はもちろん、技術を学ぶことやお客様とのコミュニケーションも大好きです。集客力には自信があり、店舗のインスタ運用を始め半年でフォロワー300人を達成しました。実務経験はありませんが、やる気はだれにも負けません。前職で身につけた接客技術や集客力を活かして、貴社に貢献したいと考えています。何卒よろしくお願いいたします。

異業種から美容師に転職する場合 「なぜ今から美容師として働きたいのか」 という具体的な理由に加えて、 「これまでの経験から活かせるスキル」 を書くことが大切です。


4.履歴書の提出方法

4-1. 郵送

■送付状(添え状)の書き方・テンプレート

履歴書を郵送する際には、「送付状(添え状)」を同封します。



■封筒の書き方・テンプレート

封筒の表面には、送り先の郵便番号、住所、宛名を省略せずに正しく書きましょう。左下に「履歴書在中」と記載します。はじめから印刷されている「履歴書用封筒」もあります。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を書きましょう。


クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れて、のり付けをしたら、中央に黒いペンで「〆」と記入します。


封筒の色は「白」、サイズは履歴書を折らずに封入できる「角形A4号」か「角形A2号」を選びましょう。



4-2. 手渡し

履歴書を直接持参する場合でも、郵送するときと同様に、クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れましょう。持参する過程で端が折れたり、シワになったり、汚れたりすることを防ぎます。


直接手渡しする場合は、郵送するときのように、表面に宛先を記入する必要はありません。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を記入します


4-3. メール

「履歴書をメールで送ってほしい」と言われた場合は、以下のポイントに気をつけてメールを作成しましょう。


■件名は簡潔に、本文は読みやすく

採用担当者は日々多くのメールを受け取っています。件名は「履歴書ご送付の件/氏名」「美容師応募の件/氏名」など、内容がひと目でわかるようにしましょう。本文は適宜改行したり、1行空けたりして、読みやすさを心がけることが大切です。


■履歴書はPDF形式で、パスワードを設定

履歴書は個人情報が書かれた重要書類です。誤送信によって第三者に閲覧されるリスクを軽減するためにも、履歴書の送り方には十分注意しましょう。


履歴書のファイルはWordやExcelなどのテンプレートで作成した場合でも、PDF形式に変換しましょう。第三者が上書きできなくなったり、レイアウトを保ったまま印刷したりすることができます。


作成→PDFファイルへの変換が終わったらフォルダに格納。zip形式でパスワードを設定・圧縮したうえで、メールに添付。ファイル名は「20241001_履歴書」のように、担当者がわかりやすい名称にしましょう。


■パスワードは2通目のメールで伝えるのが正解?

パスワードのかかったzipファイルを送るとき、後続のメールでパスワードを送付することが慣習となっています。しかしながら、このような対策はセキュリティ上、ほとんど意味を成しません。


現在、データ送付にメールを使用しなければならない場合は、「電話」「郵送」「直接会う」などの方法で、担当者にパスワードを伝える方法が最も良いとされています。


■履歴書をメールで送付するときの文面例

<件名>

履歴書ご送付の件/氏名


<文面>

株式会社○○○○

○○○○様


○○○○と申します。

ご指示いただきました履歴書をお送りいたします。

ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。


応募書類には念のためパスワードを設定しております。

パスワードは追ってお伝えいたしますので、

ご確認いただけますと幸いです。


お忙しいところ大変恐縮ですが、

ご確認何卒よろしくお願い申し上げます。


———————————–

氏名

郵便番号+住所

電話番号

メールアドレス

———————————–


4-4. 封筒はどの提出方法でも用意を!

履歴書を入れる封筒は、履歴書を郵送する場合、手渡しする場合、メールで送る場合のすべての提出方法で必要になります。

メール送付の場合は必要ないと思いがちですが、念のため送付したPDFファイルを印刷、クリアファイル・封筒に入れて面接に持参すると良いでしょう。


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