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美容師の働き方・年収・技術
美容師の休みは少ない?週1休みは正当なのか、法律や調査をふまえて解説
2021.04.23 UP

週1休みは正当?美容師に一般的なお休みのペースとは

日本には、労働条件の最低基準を定める、労働基準法があります。


日本で働く全ての労働者を保障する、賃金や労働時間、有給休暇などの労働条件の最低基準を定めている法律です。


この労働基準法には、就業は1日8時間以内を原則とし、1週間で40時間以内に納めることが必要と決められています。また、休日は週に1日以上、4週間で4日以上の休みを設けることが定められています。


そのため、もし就業が1日8時間で週6勤務だと、労働基準法で定められた労働時間wオーバーするため違法になりますが、週6勤務でも40時間以内に納まっていれば問題ないことになります。


また、雇用主と従業員の間で36協定(サブロクキョウテイ)を結んでいれば、週40時間を超えた勤務分を残業手当として支給すれば、違法性はないとされています。つまり、予め定められた条件の中で働いていれば週1の勤務も可能となります。


正社員として働く美容師の月平均の休みは、6〜7日と言われています。そのため、週に1日休みがある週と、週に2日休みがある週が交互にあるのが一般的な休みのペースです。


会社員の月平均の休みは、8〜10日の完全週休2日制が一般的です。このことから、美容師は、会社員に比べて休みが少ない職業と言えます。


美容師の年間休日数、有給休暇取得率について法律や調査をふまえて解説

労働基準法には、年間休日105日が最低ラインと定められています。雇用されている以上、雇われている美容師は年間休日105日は、休日を取得することができます。


ただし、先ほど記載した美容師の月平均の休みが6〜7日であれば、1年間12か月×月休日6〜7日=72〜84日の年間休日日数になります。


これに、夏季休暇や冬季休暇などを合わせても、105日以下であることが現状です。


労働基準法第39条の1項には、有給休暇の定義や要件が記載されています。全ての労働者が雇用された日から、継続6か月間勤務し、全労働日8割以上出勤した労働者に与えられるのが有給休暇です。


ちなみに、この有給休暇は、年間休日数には含まれません。


有給休暇は勤務する会社によって変わりますが、一般的な例でいうと勤務初年度は10日、2年目では11日、3年目は12日というように、勤続年数によって付与される有給休暇は変化していきます。


なお、有給休暇の有効期限は、2年間と定められている職場も多いので注意が必要です。また、2019年4月から実施されている働き方改革に伴い、雇用主は必ず従業員に年間5日間は有給休暇を取得させなければならない義務が課されました。


しかし、実際に現場レベルまで目を落とすと、有給休暇を取得する美容師の比率は約37%と言われています。一般の会社員が取得する有給休暇が約50%以上に対して、美容師が有給休暇を取得する割合が低いことが分かります。


休日と有給休暇共に、労働基準法に基づいた日数をしっかり取得している美容師が少ないのが現状です。


アシスタント、スタイリストで休日数に違いはあるのか

休日数はアシスタント、スタイリストで違いは特にありません。美容師の休日は月6〜7日で、平日休みであることが一般的です。


しかし人気スタイリストになると、指名客が増え嬉しい反面、休みが取りにくくなったり、休憩時間がとりにくいことも出てきます。


特に、お客様の来店が多く忙しい店舗の場合は土日に休日を取得することはほぼ不可能です。特例で、冠婚葬祭などの場合のみ休みを取得できること店舗もあります。


また、アシスタント、スタイリスト共に、休日でも職場である美容室に足を運んでいることが多いです。


アシスタントは、スタイリストに昇格するための技術を自主練習したり、モデルハントしたモデルさんのカット練習などが挙げられます。


スタイリストは、美容室に必要なヘア写真を撮影したり、技術講習を美容室で受けたりする場合などが挙げられます。そのため、美容師は営業日以外にも休日を使って技術を磨くことが多い職業と言えます。


美容院は月曜休みと火曜休みが多い理由

日本の美容院のほとんどが月曜日、もしくは火曜日を定休日にしています。これには時代背景が大きな理由になっています。


1920年代、パーマは電極のついたロットを使用し、電気で加熱してウェーブを作っていました。そのため、大量の電力が必要でした。


第二次世界大戦前後の日本は、石炭などの不足から電力供給が追いつかず、電気の使用制限が行われていました。加えて、電力供給が安定しなかったため、電力の供給を停止させる「休電日」が設けられ、それが月曜日であったことが始まりです。


基本的に、お客さんの来店は土日の週末に集中している為、翌日の月曜日を定休日にしたのも1つの要因と言われています。現在、関東では火曜日、関西では月曜日の定休日が多いです。


ある程度、定休日を一律に揃えることで、技術講習やコンテストなどに全国の美容師が平等に参加できるようになっています。


美容師の休日の過ごし方

美容師の休みは平日のため、美容師以外の友達と、週末に予定を合わせて外出ができないデメリットがあります。しかし、平日に休むからこそのメリットもあります。


  • 1:土日にあいていない病院や銀行、市役所などの手続きがスムーズにできる。
  • 2:旅行費用が平日料金になり安くなる。
  • 3:人の多さを気にせず、人気スポットへ行ける。
  • 4:映画や、ランチなど平日限定の割引が使える。

など様々なメリットがあります。

美容師の休日の過ごし方は、一般的な会社員と違いがあります。4つのポイントを整理して解説していきます。


1つ目は、常にヘアメイクなどの最先端流行を知るため、また技術を取得するために講習会に出席します。大体、全国の美容室が月曜日もしくは火曜日が定休日のため、この曜日に合わせて講習会が行われています。


有名スタイリストのカットやカラー技術を講習会で取得することで、来店されるお客様のニーズに応えられるようにします。


2つ目は、モデルハントのために街へ出掛けます。SNS上に載せるカットモデルを自分で交渉して探す必要がある店舗もあります。また、コンテストや雑誌などの撮影用モデルを探すために、休みの日でも探すことがあります。


3つ目は、流行を知るために買い物へ出掛けたり、友人たちと情報交換をします。ヘアメイクとファッションは、時代と共に流行が変化します。


ウィンドウショッピングなどをすることで、その先端を知ることができ、お客様に情報を提供できます。


4つ目は、自宅でゆっくり過ごします。美容師は週1もしくは、週2の休みのため、休日にしっかり休み英気を養うことも多いです。早朝から美容室閉店後の片付けまで長時間勤務する美容師は、疲労が溜まりやすいです。


そのため、翌日の仕事に備えてしっかり睡眠を取ったり、栄養バランスのとれた食事をするなどして体を休ませます。また、立ち仕事な職業柄、休日にマッサージやリラクゼーション施設に通う美容師も多いです。


美容師の休みは少なく、休みの日もスキルアップのために動く必要がある場合が多い

美容師はサービス業になるため、休日は月曜日、もしくは火曜日の平日になります。また、労働基準法に定められている年間休日日数も、一般的な会社員に比べて少ないのが現実です。


週1の休みは正当ですが、週6勤務のうち1週間40時間以内までと定められています。しかし、現状はそれ以上働いている美容師がほとんどと言っていいでしょう。


そんな中でも、働き方改革の見直し等で、美容師の働き方も少しづつ変わってきています。完全週休2日制、有給休暇取得可能な美容室も増えてきました。


また、地方などでは、日曜日を定休日にする美容室なども存在します。ライフタイルが多様化している昨今、美容師の働き方も大きく変わろうとしています。


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