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働くを、近くに感じる特集記事

美容師の働き方・年収・技術
美容師の大変なこととは?きつい仕事だけどやりがいもあります!
2021.06.29 UP

美容師に必要な能力とは?どんな人が向いているかを解説!

美容師になるために絶対に必要な能力はコミュニケーション能力です。やはり接客業ですから、そこは必須になってきます。


コミュニケーションの中でも、聞き上手になることが美容師をするうえで必要です。なぜならお客様から色んな情報を聞き出すことで、よりお客様の納得のいくヘアスタイルが提供できるからです。


そしてお客様の要望に応えるためには、美容やファッションへの探求心の強さも必要になってきます。


例えば「最近人気のモデルの○○さんみたいな」と言われた時に「??」では、お客様が困ってしまいます。やはり最近の流行りは知っておいた方が、お客様との会話もスムーズですし言っていることを理解しやすくなります。


そして「専門学校を卒業したら、すぐにカットできる」と思っている方も多いですが、美容師がスタイリストになるまでに学ぶべきことはたくさんあります。


そこで重要になってくるのが、根気です。スタイリストになるまでいくつもの壁に突き当たります。その都度、心が折れそうになることもあるでしょう。


しかし【継続は力なり】です。根気よく頑張り続けた方のみがスタイリストになれるわけです。


「器用じゃないから出来ない」「向いていない」と思う必要はありません。どんなスタイリストも最初は出来ませんでした。


根気よく頑張ったから、今があるのです。


美容師免許の取得は難しい?専門学校の通信制・通学制の違い

美容師になるために必要な免許は国家資格です。国家資格というと難しいイメージがあると思います。


しかし公益財団法人理容師美容師センターの発表によると、令和2年度の美容師国家試験の合格率は85.6%です。


車の免許取得試験が合格率70~75%ですから、専門学校できちんと学んでいれば難しくないことが分かります。


免許取得で難しい事と言えば、専門学校を通いきる事ではないでしょうか。


近年では大学の中退者は数%と言われる中、美容専門学校の中退者は10%を超えています。金銭面で中退する方もいますが、何らかの理由で通い続けたくないということで中退するようです。


しかし美容師国家試験は、美容専門学校を卒業しなければ受験できません。美容専門学校を辞めずに卒業し、美容師国家資格を取得するには学校選びも重要と言われています。


専門学校の通信制・通学制の違い

美容専門学校は通学制で2年、通信制で3年です。筆者の時代は通学制の昼間課程で1年、そしてインターン制度が設けられていました。


しかし国家試験の合格率を上げるために2年間学び、しっかり国家試験対策をする方向性に変わったのです。そのおかげあり、合格率は非常に高くなっています。


通学制の昼間課程は2年間で実技・学科を合わせ1400時間の授業を受けなければ、国家試験を受ける事ができません。


一方通信制は3年間で300時間、非従事者の場合は600時間受ける必要があります。


この授業時間の違いからも分かるように、通信制の場合は自主的に学習することが必須です。したがって通学制よりも拘束されない分、努力は必要になるでしょう。


しかし通信制のメリットも大きく、学費は通学制の約1/3~1/4程度に抑えることが出来ます。そして働きながら学ぶことで、通学制よりもスキルアップした状態でスタートすることができます。


自分の性格やライフスタイルに合わせて通学制か通信制かを選ぶことも、美容師国家資格を取るために重要な事のようです。


アシスタントとスタイリストの違いとは?美容師の一日の流れ

同じ美容師として働いていても、アシスタントとスタイリストの1日の流れは違います。一般的な美容室を例に挙げてみていきましょう。


アシスタントの1日

8:00 出勤:仕事の準備の前に練習。


9:00 準備・朝礼・開店準備:営業に入るための準備をします。


10:00 開店:先輩たちの指示に従い、シャンプー・カラー・ワインディングなどのヘルプに入ります。(忙しい日は休憩に入れないこともあります)


19:00 閉店・ミーティング:最後のお客様が帰ってから清掃。ミーティングでは1日の反省点や注意点などの話をする。


20:00 練習:営業で学んだことやそれぞれの課題の練習をする


退勤


アシスタントとして働く上で大変なのは、スタイリスト以上に忙しい事ではないでしょうか。


多くのお店がアシスタントの人数以上にスタイリストがいます。ということは1人のアイスタントが何人ものスタイリストのヘルプをすることになります。


ここで大変なのは、何人ものスタイリストが施術しているお客様のメニューや来店時間、もっと細かく言えばシャンプーを終える時間などを考えながら仕事をすることです。


早く終えないと次のお客様に影響が出るため「5分でカラーを塗って」など、スタイリストから無謀な指示を受けていた記憶があります。


筆者のアシスタント期間はアシスタント2人に対し、スタイリスト7人でした。そのうち1人はジュニアスタイリストだったので、忙しい日は1人で3人のヘルプをしていたことになります。


今考えれば、あの頭の回転は若かったからこそできたのかもしれません。


スタイリストの1日

9:00 出勤・朝礼:開店準備。1日の予約の確認。


10:00 開店:カット・カラー・パーマなどの接客に入る。


19:00 閉店・ミーティング:最後のお客様が帰ってから清掃。ミーティングでは1日の反省点や注意点などの話をする。


退勤(人によってはアシスタントへの指導のため残る)


スタイリストとして大変なのは、やはり接客です。お客様に気を使いながら1日中接客することはは、想像以上に精神的に疲れます。


しかし数年スタイリストとして活躍していると気遣いは習慣になり、時に気を使わずに接客できるお客様が来店されることもあります。


筆者はスタイリストになり何年も経っているため、疲れるほどの気遣いをすることはなくなりました。


そしてアシスタントへの指導も大変だと思う方も多いかもしれません。技術は覚えたものの自分の時間が取れず、拘束時間は長いままというところにストレスを感じることもあるでしょう。


お金も時間もない!?美容師が生活で感じる大変なこと

美容師として働き、一番大変に思うことは【拘束時間のわりに収入が少ない】ことではないでしょうか。詳しく解説していきたいと思います。


拘束時間の長さ

美容室の営業時間は立地条件にもよりますが、一般的に10:00~19:00位です。働いている就業時間はサラリーマンと変わりありませんが、開店前や閉店後の練習で拘束時間が長くなります。


そして一般サラリーマンの年間休日約120日に対し、美容師の年間休日約90日です。さらにアシスタントの時期は休日が講習会で潰れることもあります。


このように自分のプライベートの時間が少ないため、他の業種の友人と会えなかったり仕事終わりの食事もなかなか難しいのが現実です。


収入が上がりにくい

多くの美容室の給与形態が固定給から歩合に変わり、収入は上がりにくくなりました。


アシスタントは平均月収13~17万円で、美容室によっては試験制度が設けられ新たな施術に合格すると昇給していきます。


そして5年後のスタイリストになるころには、平均月収23~29万円程度です。


美容師が5年で約10万円の昇給に対しサラリーマンは平均初任給22万円、5年後には15万円以上アップの約28~34万円です。


これはサラリーマンの給与形態が年齢給であるところが多いからのようです。このように給与形態の違いから美容師は収入が上がりにくいとされていますが、決して上がらないわけではありません。


雇用とフリーランスでも収入は変わってきます。


精神的にも肉体的にもきつい!?美容師の仕事で辛いこと

どの職種も辛い部分があると思いますが、華やかにみられる美容師の業界も同様です。


精神的に辛いこと

美容師は接客業のため、慣れないうちはお客様とのコミュニケーションが上手く取れず悩むこともあるかもしれません。


筆者もアシスタントの時は接客が苦手で、良く先輩に「黙々と仕事するのはNG」と言われました。こんな筆者がお客様と話すようになったのは、自分でお客様を担当するようになってからです。


出来れば「ヘアスタイルを聞いたら話をせずにカットに集中したい」とも思いました。しかし、ヘアスタイルだけ聞かれたお客様は「大丈夫なの?」と不安そうな顔で、鏡越しに筆者の手元を見ていました。


今思えばヘアスタイルを聞いただけでは要望通りにカットはできませんし、緊張感がお客様に伝わります。その緊張感を隠すためと慣れない手つきを見られないために、お客様と話すようになった訳です。


しかし続けていくうちにコミュニケーションとしての会話が身につき、今では黙って仕事をしている事の方が少なくなりました。


そして精神面の辛さと言えば、スタイリストのイライラの標的になることや同期とのレベルの差です。


スタイリストも忙しい日はピリピリすることがあります。そんな時は小さなミスを「取り返しのつかない失敗をしてしまったのでは」と思うほど注意されることがあるのです。


自分がスタイリストになれば気持ちが理解できるのですが、理解できるまでは「自分には美容師は向いていないかも」そんな風に思う日もあるかもしれません。


これはスタイリストに限った話ではなく、むしろお客様に怒られることの方が精神的ストレスを感じるかもしれません。


しかし怒られたり注意されているうちは良いのです。言ってくれるだけ自分の事を思ってくれているのですから…。


全てにおいて前向きに考えることは難しいかもしれませんが、後ろ向きになっても前進は出来ません。


同期との差も同様で、気にしていても差は縮みません。したがって気せず、自分のペースでコツコツ頑張り続けることが大切です。


肉体的に辛いこと

美容師として働く上で肉体的に辛いことと言えば【脚のむくみ】【腰痛】【手荒れ】です。


腰痛や手荒れに至っては、仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれることもあります。したがって、日頃からのケアが重要と言えそうです。


立ち仕事をしていると「通勤時に履いてきたブーツのチャックが帰宅時には閉まらなくなるほどむくむ」と言った話を聞くこともあります。


脚のむくみ予防には着圧ソックスを履いたり、帰宅してからふくらはぎにお湯とお水を交互にあてるなどが効果的です。


時間がある時はクリームを塗って、リンパマッサージも良いでしょう。


腰痛の予防は、日頃から腰回りの筋肉をつけておくことが一番です。筋トレをする時間が無い場合は【ながら運動】が最適です。


フロアに立っている時にお尻を上に引き上げるように腰をそらします。「それだけ?」と思われる方もいると思いますが、筋肉は縮める動きをすると鍛えることができるのです。


軽い負荷でも毎日の積み重ねはかなり効果が得られます。


そして美容師の悩みで一番多いのが手荒れです。お湯・シャンプー・薬剤・ドライヤーの風など、手が乾燥する要因はたくさんあります。


手荒れを防ぐには保湿が一番ですが、仕事中にハンドクリームを塗る時間がなかなか取れないのが現実です。


そんな時は撥水性の強いハンドクリームを使ったり、出来る限り手袋をして施術するなどで手荒れの要因を減らしましょう。


そして一番やりがちなのが手荒れを予防したいと思うあまり、薬剤がついた手を洗うときに石鹸を使わないことです。


確かに石鹸を使った手洗いは皮脂が取られてしまいます。しかし、皮膚に薬剤が残っているのは非常に危険です。


【しっかり薬剤は洗い流し保湿する】これが一番です。


やりがいがあるから続けられる!美容師になって良かったこと

話だけを聞いていると「美容師という仕事に魅力を感じられない」と思う方もいると思います。しかしながら筆者は既に、20年以上美容師として働いています。


その理由はやはり【楽しいから】です。


確かに技術を身に付けるまでの苦労もありました。そして収入も良くはありません。しかしそれ以上に得られるものが大きいと感じています。


常に新しい情報が手に入り美について考えることも出来ますが、何よりお客様と人としての繋がりができるのです。


筆者が出産し4ヶ月の子供を連れて仕事をしていた時、お客様にはとても助けられました。子供が保育園に入るまでの9ヶ月間、子育てをしながら仕事が出来たのはお客様がいたからこそです。


子供が泣くと抱っこしてくれたり、あやしてくれたり。いつもお客様が話しかけてくれていたお陰で、子供は一切人見知りしません。むしろ大人が大好きです。


もし出産していなかったら、こんな風にお客様の優しさに触れることもなかったかもしれません。その後も子供の事を気にかけてくれる方も多く「この仕事で人とのつながりが出来て良かった」と思います。


ベビーカーに乗っていた男の子が大学生になり、シャイな中学生は社会人に…。長く美容師をしているとお客様が他界してしまうことも出てきます。逆に子供や孫が生まれたりの嬉しいお話を聞くこともあります。


お客様と一緒に歳を重ね、お互い悩みが変わった話をさせていただくことも美容師ならではないでしょうか。


筆者は何度か美容師を辞めようと考えたことがあります。しかし、お客様と話しながらキレイにすることは楽しいのです。


そんな理由で筆者は20年以上、美容師として働いています。


環境の変化で好転することも!転職や独立、業務委託という選択肢

美容師の働き方は、ここ数年で大きく変わってきました。カット専門店や業務委託、独立し開業すると言った選択肢があります。


手荒れに悩む場合

「手荒れがひどく、病院に通っても改善されない。でも美容師は続けたい。」そんな方にはカット専門店に転職するのも良いかもしれません。


シャンプーや薬剤に触れることがないので、かなり手荒れが軽減されるでしょう。しかし美容師として色んな施術をしたい方には不向きです。


ただしカットにはカラーの様な放置タイムはないので仕事がハードなことを踏まえて転職することをおすすめします。


拘束時間を短くしたい場合

美容室に雇用されていると、嫌でも勉強会やアシスタントへの指導で拘束時間は長くなります。拘束時間の長さを改善するには業務委託でフリーランスで業務委託を受け働くのが良いかもしれません。


業務委託は美容室に属していないため、美容室が人材が必要な時に委託を受け働きます。ですからミラーレンタルのように集客に時間を取られることもありませんし、練習もありません。


ただし基本的にアシスタントは付かないので、全て自分でやる事を踏まえて転職することをおすすめします。


気楽な環境で働きたい場合

「難しい人間関係はイヤ」「自分好みのお店で気楽に働きたい」そんな方は、独立し開業することで叶えられます。


筆者が子連れで仕事ができたのも開業していたからです。周りに許可を取る必要もありませんし、かなり自由に働けます。


しかし開業すると美容師の仕事以外の事が非常に多く、事務仕事も必須になってきます。美容室が増えている現在、開業するときは強い意志を持って開業することをおすすめします。


どんな環境で働いても、不満は必ずあるはずです。しかし、その環境で楽しさを見出すことで頑張ろうとも思えるでしょう。


美容師は大変な仕事ではありますが、考え方ひとつで「辞めるのはもったいない」と思える仕事でもあります。


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