美容師の働き方・年収・技術
美容師の月間平均売上とは?100万円に到達した方の給料や工夫も解説
2022.01.17 UP
美容師の月間平均売上とは?1日の平均客数、平均客単価も調べました
厚生労働省健康局生活衛生課の資料を参考に計算した、美容師の月間売上の平均は約49万円です。そして平均客単価は立地条件によっても変わってきますが、約6,000円でした。
平均勤務日数25日で計算してみると、1日当たりに客数が3人前後となります。
この数字が多いか少ないかというと、20年以上美容室で働いていた筆者から見ると驚くほど少ないです。
この原因は美容室が増えたことと、人口が減ったことだと考えられます。人口に対しての美容室が多くなっているのですから、客数が減るのは当然の事です。
2021年に厚生労働省が発表した美容室の件数は、25万4422軒で過去最高となりました。
西暦 | 美容室軒数 | 人口 |
---|---|---|
2000年 | 20万3,000軒 | 1億2,692万人 |
2021年 | 25万4,422軒 ↑ | 1億2,557万人 ↓ |
21年前と比べ人口が大きく変わらないのに対し、美容室は約5万軒増えました。この軒数は街で良く見かけるコンビニエンスストアの4.5~5倍とも言われています。
同じ数の人口を約5万軒増えた美容室で分け合うのですから、美容師の月額売上平均や1日の客数が少なくなるのは当然のことと言えるでしょう。
しかし、中には月間売上60万~100万を達成している美容師もいます。一体どのようにして売上をアップしているのでしょうか。
美容師が売上をアップするために必要なこと
近年の美容室の増え方を見ていると、来たお客様を施術して帰すだけでは売上アップには繋がらない事が想像できます。
売上をアップするためにはどんな方法があるのか調べてみました。
- 客単価を上げる
- リピート率を上げる
- 回転率を上げる
- SNSを利用した集客
すぐに思いつきそうなことですが、意外と行動するのは難しいです。詳しく解説していきたいと思います。
客単価をあげる
お客様一人当たりの単価が上がれば自然と売上アップに繋がっていきます。しかし、明らかに興味がなさそうなお客様へのしつこいアプローチはやめましょう。
お客様がカットでご来店になった場合、カットする時間しか予定を開けていない場合もあります。そしてカットのみの予算で来られる方もいます。
そんな時にトリートメントやヘッドスパやその他商品をすすめられても、なかなか首を縦に振ってはもらえません。
まずはお客様にとって有益な情報を話すことが大切です。きっと興味のあるお客様であれば「詳しい話を教えて欲しい」と言ってくれます。
興味がないようであれば、しつこくはせずに他の話をすることをおすすめします。
もし、その日に施術してもらえなくても話しておくことで、次回以降の客単価アップに繋がっていく可能性は高いです。
リピート率を上げる
もしあなただったら、どんなお店にもう一度行きたいと思うか考えてみましょう。
- 思い通りのヘアスタイルにしてくれる
- 似合うヘアスタイルにしてくれる
美容室に行くのですから、ヘアスタイルを重視する方も多いのではないでしょうか。
他にも立地条件や価格帯もありますが、お客様により満足してもらい「もう一度行きたい」と思ってもらうには【聞き出す力】【提案できる知識】は必要不可欠と言えそうです。
実は多くのお客様が「上手くヘアスタイルが伝えられない」と悩んでいることをご存知ですか。そこで重要になってくるのが、美容師の【聞き出す力】です。
ひとつのヘアスタイルを聞いても、美容師10人いれば10通りのヘアスタイルが想像されます。そのくらい、言葉から想像することは難しいです。
という事はヘアスタイルのみ聞いてもお客様を満足させることは不可能に近いということになります。そう考えると、行きつけの美容室がなかなか定まらない「美容師難民」が増えているのも納得です。
そして技術と共に【提案できる知識】も重要です。
カットをしに来たからカットする・パーマをかけに来たからパーマをかける。当たり前のことですが、その裏にあるお客様の気持ちを考えてみましょう。
「今までカットのみだったからカットする」「今までパーマをかけるのが当たり前だったからパーマをかける」このように考えているお客様は少なくありません。
ヘアスタイルを変えるのには勇気がいります。そこで美容師が新しいヘアスタイルを提案することができたら、その日はチャレンジしないまでも「また来てみよう」と思うはずです。
ただし、新しいヘアスタイルを提案するには知識が必要になります。お客様に似合うか・髪質に合うか・家での手入れは難しくないかなどが想像できての提案でなければ「スタイルチェンジは失敗だった」と判断されることもあるからです。
気持ち良く美容室を後にし、次に美容室に訪れるまでの期間が快適であればあるほど、お客様はまた訪れたいと思ってくれます。
いかに親身になって考えられるかで、リピート率は大きく変わってきそうです。
回転率を上げる
回転率が上がれば、自然と客数は増え売上は上がっていきます。しかし回転率を上げるためとはいえ、仕事が雑になるのはNGです。
目指すは【急いでいるように見えない早い仕事】になります。その為に大事なのは技術力と、次にするべきことを常に考えられる力です。
まずは頭の中で自分がこれからしなくてはいけない行動を、3~4つ先まで考えながら仕事をしてみましょう。「1つ終わったら、次」では常に行動が一歩出遅れてしまいます。
そして正確に動いていきましょう。例えばカラー剤の塗布の場合【顔にはみ出さない】【床に落とさない】【塗布もれがないように塗布する】など気を付けていきます。
当たり前のことですが、この程度の小さなミスがタイムロスにつながっていきます。
小さなミスを減らし、自分がしなくてはならないことを考えながら動くことで回転率は少しづつ上がっていきます。
SNSを利用した集客
新規のお客様にご来店してもらうために、今一番有効なのがSNSの利用です。近年ではお店のウェブサイト以上に、SNSの発信を見て美容室に来店するお客様が増えています。
その理由は美容室でどんな技術が提供されているかが、リアルタイムで更新されてくことにあります。
常に新しい情報が大事な20~30代の方にとって、半年前の技術は魅力がありません。ヘアスタイル・カラーリングも、流行はどんどん変化していきます。
そのためSNSで集客をしたいと考えるのであれば、まめに更新することが大切です。「疲れたから」と言っていると、どんどんライバルに情報発信され先を越されてしまいます。
SNSでの集客の一番のポイントは、どこよりも早く情報発信することです。それと共に、どんな思いでお客様と向き合っているかを伝えることが大切になります。
作品だけを並べられても、人の心を動かすことは出来ません。必要なのは作品と、仕事に対する熱い思いです。
良くも悪くもインターネットの世界は文字や画像の世界です。そこで発信している人の気持ちも伝われば、集客に繋がっていくでしょう。
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売上が高い美容師が行っている工夫の具体例
実際に月間売上100万円を達成するための具体例を解説していきます。
- 常に学び、前進しよう努力する
- 笑顔を絶やさない
- 親身になってお客様の事を考える
この行動が、直接的に売上を上げるわけではありません。売上を上げるために、大事な事は指名を増やすことです。
この3つのポイント抑えることで、お客様の信頼を得る事ができ指名に繋がっていきます。漠然と数字だけのアップを考えても、結果に結び付いていかないというわけです。
常に月間売上100万円を達成している美容師が一番に心掛けていることは、お客様との信頼関係を築くことでしょう。
お客様の信頼を得ることで得られるメリット
- 新しいメニューを試してもらえる
- おすすめした商品を購入してもらえる
- 来店時に指名してもらえる
- お友達を紹介してもらえる
お客様からの信頼を得られると、たくさんのメリットがあります。自然と売上が上がっていくのも、理解しやすいのではないでしょうか。
美容師として信頼してもらうのももちろんですが、人としての魅力もなければ指名してもらうのは難しいです。技術だけでなくお客様は人間性も見ているという事です。
信頼を得て指名してもらう方法
ここからは筆者の体験談に沿って解説していきます。
月間売上100万円を達成するには、1日に約6~7人施術することになります。アシスタントがいるとはいえ、かなり忙しいことは想像できると思います。
これまでの経験上、仕事が忙しくなるとやってしまいがちなパターンは3つありました。
- 雑になる
- 話をしない
- 事務的になり笑わない
この3つをやってしまうと指名はもちろん、再来店してもらえない可能性が高くなります。
そこで徹底したのが
- 急いで行動しても髪を雑に扱わない
- 聞き役に徹する
- 常に笑顔でいる
この3つの行動でリピート率は上がり客単価も上がり指名も増えました。その理由を解説していきます。
急いで行動しても髪を雑に扱わない
女性は特に、髪の毛を触られることに抵抗がある方が多いです。美容師は髪に触れることが日常的なので、配慮に欠けるときがあります。
しかし、これは絶対に覚えておくべきです。
忙しい美容室ではお客様をお待たせしてしまうこともあります。そんな時、美容室の後に予定のあるお客様だったらどうでしょう。
5分の待ち時間も長く感じ、少し苛立ちを感じているかもしれません。そこで美容師があわてて髪をとかし、お客様の頭が動くほど引っ張ってしまったら…「慌てて雑に扱われている」と感じるでしょう。
タオルを首に巻く、クロスを付けるそこまでは手早くても、髪の毛にはゆっくり触れることで雑な印象にはなりません。
どこで急ぐべきかを良く考えて行動することで、お客様に不快感を与えることがなくなります。
聞き役に徹する
「話し上手は聞き上手」に対し「話し上手の聞き下手」ということわざがあります。実は「自分は話し上手」と思っている方の大半が後者です。
これは「自分の話に夢中になり、相手の話を聞かずに一方的に話をする」ことを意味します。ついやってしまいがちですが、お客様はゲストです。
美容師は聞く側に徹しましょう。そうすることで、お客様は「自分に興味を持ってくれている」と思い、色んな話をしてくれます。
色んな話をしてくれるようになるという事は、少しづつ信頼もして貰えているという事です。この関係性を築くことで、お客様は美容室に来てリラックスできるようになるでしょう。
美容師にとってはたくさんのお客様のうちの一人ですが、お客様にとってはたった一人の美容師であることを忘れないようにしましょう。
常に笑顔でいる
「接客中は笑顔なのに、離れた瞬間無表情」美容師のあるある話です。
筆者はインターンの時に「お客様は鏡越しに見ている」と先輩に言われた経験があります。それはカットに入りたてで、真剣にカットするあまり無言で怖い顔で施術していた時でした。
真剣なのか不機嫌なのかは、お客様には分かりません。ただ、見ている側としては良い気持ちではなかったはずです。それからはフロントに立つときも、接客中以外も口角を意識して上げるようにしました。
人間ですから笑顔でいられない時もあるでしょう。しかし笑顔は安心感を与え、話しやすさを感じさせます。
話しやすいという事は、相談しやすいという事です。笑顔で何でも聞いてもらえたら、もう一度足を運びたくなるはずです。
どの行動も決して大きなアクションではありませんが、継続していく事で確実に信頼を積み上げていく事ができます。
技術ももちろんですが、指名してもらう決め手は経験上、人間味のある接客であると信じています。
月間売上100万円になると給料はいくらになる?
固定給が一般的だった時は、給料の3倍が売上目標でした。これを基準に考えると月間売上100万円で約33万円程度の給料という事になります。
しかし近年では歩合制を取り入れている美容室がほとんどで、歩合のパーセンテージは美容室との契約によって異なります。
完全歩合率の平均が約40~50%と言われています。月間売上30万円、60万円、100万円、200万円、300万円でどの程度の給料になるのか見てみましょう。
月間売上 | 完全歩合給(45%) |
---|---|
30万円 | 135,000円 |
60万円 | 270,000円 |
100万円 | 450,000円 |
200万円 | 900,000円 |
300万円 | 1,350,000円 |
数字だけ見ていくと夢のような数字ですが、現在の美容師の月間売上平均が49万円ですから給料は約22万円になります。やはり行動を起こしていかなければ、厳しい業界とも言えそうです。
しかし美容室の経営形態はどんどん変わっています。自分にあった美容室を選び高額収入を得る事ができるかどうかは、あなたの熱意次第と言えるでしょう。