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美容師の働き方・年収・技術
理容師に将来性はある?需要の有無や理容師の本音をご紹介!
2022.02.28 UP

理容業界では人手不足?理容師の人数の変化とは

理容師の仕事は【頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること】です。


理容師や美容師として働くためには、国家試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。理容師と美容師は似ている職種ではありますが、理容師にはシェービング、美容師にはまつ毛パーマやまつ毛エクステの施術が許されているため、試験内容にも少し違いがあります。


理容師志願者激減で人手不足

理容師になるためには専門学校に通い、国家試験に合格する必要があります。まずは国家試験受験者数を見てみましょう。


理容師試験受験者数 美容師試験受験者数
第1回(平成13年春) 3,429人 23,942人
第9回(平成17年春) 2,590人 29,387人
第19回(平成22年春) 1,635人 23,134人
第29回(平成25年春) 1,430人 19,063人
第39回(平成30年春) 1,156人 18,521人

以前から美容師に比べ理容師志願者が少ないのが、一目で分かります。しかし問題はそこではありません。


美容師試験受験者は17年間で約23%減ですが、理容師試験受験者は半数以上の約66%減でした。つまり理容師志願者は勢いを増して減少し続けているのです。


その結果、平成15年には25万人いた理容師が、12年間で22.7万人まで減少しました。後継者がいない理容室も増え、14万店舗が12.7万店舗まで減少したのです。


このように理容師志願者が年々減り、理容室の人手不足は深刻な問題になっています。


理容師の仕事の実情とは~仕事内容や給料を解説

理容師はカットやシェービングがメインの仕事ですが、パーマやカラーはもちろん、ヘッドスパやネイルケアなどのサービスも提供している理容室が増えてきています。


理容師の平均年収は地域によっても異なりますが、約368万円です。時給にすると988円、契約社員で1,522円程度と言われています。


平均年収は美容師よりも高いと言われていますが、伸びしろが少なく247〜524万円程度の年収の人が多いようです。


理容師はやめとくべき?理容師の本音をご紹介

「理容師はやめておいたほうがいい」と書かれているウェブサイトを時々見かけますが、実際に理容師として働いている人たちはどのような理由でやめておいた方が良いと思っているのでしょうか。


  • 土日に休めない
  • 長時間労働の低賃金でやりがいが感じられない
  • 退職金もなく将来が不安

詳しく解説していきたいと思います。


土日に休めない

サービス業の多くが、週末は忙しく休めないことが多いです。慣れてしまえば「平日休みもいいかも」と思えますが、理容師になりたての時期や結婚し子供が生まれるなどの環境の変化が起こった際に「土日に休めないのは辛い」と思うようになる人は多いようです。


土日に休めないことで他の職種の友人と会えない事にも、もどかしさを感じるのではないでしょうか。特に理容師になりたての時には、このようなことを理由に退職をする人もいるようです。


何年も理容師をしていると同業の友人や、平日休みの友人が増えるため土日に休みが取れないことは気にならなくなります。しかし家庭を持つと、再び土日に休みがない理容師という仕事にもどかしさを感じ始めます。


その理由は子供の休みにあります。保育園や幼稚園に通っているうちは子供を平日に休ませることも可能ですが、小学校を休ませることは親として躊躇する人が多いです。


「理容師をしている以上は、平日休みは仕方がない」とは思うものの、家族団らんの時間がなかなか取れないことは辛いものです。


長時間労働の低賃金でやりがいが感じられない

低賃金で知られている理容師ですが、労働時間は美容師よりも長いと言われています。


美容室は9時から19時までの営業時間が多い一方、理容室は8時から20時までの営業時間が多いようです。人手が足りていればシフト制になる所ですが、理容室は常に人手不足なため長時間労働が強いられます。


12時間労働で1時間の休憩が取れても11時間労働です。人手不足の理容室で十分な休憩時間が取れることは少ないでしょう。


生産性の悪い理容業は、働いても働いても賃金がなかなか上がりません。独立開業を目指している人であれば我慢もできますが、雇用で良いと思っている人にとってはやりがいが感じられないようです。


退職金もなく将来が不安

福利厚生が充実していない理容室は非常に多く、特にボーナスや退職金がないことで将来に不安を感じている人が多いようです。


近年では社会保険に加入している理容室も増えましたが、会社負担してもらえる部分はあるものの低賃金からの天引きは厳しいものです。その中から将来のための貯蓄が出来るかというと、難しいのが現実でしょう。


現在、大卒のサラリーマンの平均退職金が1,983万円と言われています。退職金は無くても理容師は開業することで定年退職はありません。


「手に職があれば、いくつになっても働けて良い」このような言葉を耳にしたことがある人も多いと思います。


しかし、本当にそうなのでしょうか。問題は「何歳まで働けるのか」「何歳まで働かなくてはならないのか」です。


健康であれば、働き続ける意欲もあるでしょう。10年、20年、30年…健康で働ける保証はどこにもありません。


上記の3つの事から、理容師はやめておいた方が良いと思う人が多いようです。


理容師に向いている人~向上心や正確な技術が必要です〜

理容師に向いている人のポイントは5つあります。


  • 向上心がある
  • 体力がある
  • オシャレが好き
  • コミュニケーション力がある
  • 人を喜ばせることが好き

以前までの理容室は「髪型を整えるところ」「シェービングをするところ」といった認識がありました。その頃であれば向上心、体力がある人であれば理容師に向いていると言えたかもしれません。


しかし現在では男性もオシャレになり、理容室に求められるものも変わってきました。


理容師もオシャレに興味があり、流行りに敏感であることでお客様の要望が理解しやすくなります。そして、お客様の好みを聞き出すためのコミュニケーション力も必要になるでしょう。


何よりもお客様に喜んで欲しい気持ちがあればあるほど、やりがいも感じられやすく、きつい仕事と言われている理容業も継続していく事ができるでしょう。


理容師の需要はある?今人気のレディースシェービングとは

近年、レディースシェービングに注目が集まり、特に女性理容師の需要が高まっています。


元々はブライダルサロンやブライダルエステで、結婚式前の女性がうなじや背中、腕や指先までシェービングを施していました。


このシェービングに美肌効果があることがウェブサイトなどでも紹介され、普段のお手入れとしてシェービングの施術を受けたい女性が増えたのです。


しかし、女性が理容室に行くのは勇気がいりますよね。そこで女性専用シェービングサロンが登場しました。もちろんエステティシャンが女性であるように、女性専用シェービングサロンも女性理容師のみのサロンがほとんどです。


現在女性理容師は理容師全体の2割と言われています。もともと貴重な存在である上に需要が高まっているので、女性専用シェービングサロンでの人材確保も苦労していることが予測できます。


理容師の将来性は?美容師とどちらがいいか徹底比較!

現在増え続ける美容師に対し、減少傾向にある理容師の将来性はあるのでしょうか。


格安カットやAI導入で理容師の将来性はなくなったのか?

格安カットが増えたことで理容室が減ってしまったと思う人も多いようですが、本当にそうなのでしょうか。


確かに格安カット店が増え始めた時、今までの価格は何だったのかと利用する側は思ったかもしれません。そして同じカットなら安い方が良いと思うでしょう。


筆者は2ヶ月間格安カット店で働いていた経験があります。筆者に限らず「この価格で、今までと同じ仕事はできない」と思って働いている人がほとんどでした。


格安カット店の多くが、10~15分でカットを終わらせるよう指示されています。約半分の時間で満足できる仕事ができるのか、答えは「できない」です。


技術者としての悔しさはありますが、収入を得るために自分では満足できない仕事をすることが増えてしまったのです。


つまり格安カット店に比べ、一般的な価格設定の理容室は自分の満足の行く仕事ができる環境にあるというわけです。


その技術に対し「やっぱりお金を払うだけの技術がある」とお客様が思えば、格安カット店にお客様が流れてしまうのは一時的なもので終わるはずです。


そして理美容界のAIと言えばオートシャンプーです。オートシャンプーが登場したのは今から20年以上前の話になります。


水圧の強弱でシャンプーをするのですが、好みが分かれます。苦手な人はお金を払うから手でシャンプーして欲しいという人もいるのです。


文句も言わず働き続けるオートシャンプーは確かに優秀ではありますが、やはり人の手に勝る訳ではありません。


しかし格安カット店やAIの導入の打撃を受けたのは、理容室だけでは無かったはずです。美容室も同様なはずなのに、理容室だけが将来性がないように感じられたのはなぜでしょうか。


この時代の変化に富むこの世の中で、変化を拒んだ理容室が閉店に追い込まれることで「理容師には将来性がない」と思わせてしまったのかもしれません。


理容師免許保持者が少ないからこその将来性

「ケア理容師」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。全国理容生活衛生同業組合連合会により研修会が行われ、高齢者や障害者に安全かつ快適な理容サービスを提供するサービスです。


理容室に来店できない人の自宅や施設に訪問し施術をするために、通信教育と集合研修で専門的に学びます。


高齢者が増えている現在、訪問理美容の需要は高まっています。以前は訪問美容を耳にすることはあっても、訪問理容はあまり耳にすることがありませんでした。


しかし、高齢者は女性ばかりではありません。しかも男性であれば、やはりシェービングをして欲しい人も多いでしょう。つまり美容師ではシェ―ビングができないため、理容師の需要も高まっているわけです。


そして理容師の人数が減少傾向にあるということは、視野を広げれば仕事はたくさんあるということです。


今までであれば「カットは店でするもの」と思っている理容師も多かったでしょう。しかし高齢者が多い今、待っていてもお客様は来ません。


来たくても来れないお客様がたくさんいるのです。少し考え方を変えれば、理容師の将来性は無限なのです。


しかしながら理容室が年々減っているのは現実です。そこで理容師と美容師のダブルライセンスを取得する人が増えています。ダブルライセンスを取得しておくことで、選択肢は広がります。


女性であればブライダルサロンでヘアメイクもシェービングもできるとなれば、昇給のきっかけにもなるでしょう。男性であれば美容室で男性の眉カットやオシャレなヒゲのデザインも提案できるでしょう。


つまり活躍するステージの選択肢が広ければ広いほど、将来性はアップしていくのです。


イメージから将来性を変えていく

上記の2つの点は、理容室も美容室も大きな違いはありません。では、なぜ理容師は減少し、美容師は増えているのでしょうか。


20~40代男性に理容室のイメージを聞いてみたところ「理容室=おじさんの行くところ、ダサい」このような厳しい意見を見かけました。働いている現役の理容師ですら、そう思っている人が多いようです。


「かっこよくなりたいから美容室に行く」「かっこいいヘアスタイルを作りたいから美容師になる」このような思いから、理容師になる選択をしない人が増えているのです。


確かにオシャレな理容室には20~40代の男性客が集まっています。つまりオシャレにしてくれるオシャレな理容室があれば、美容室に行かなくても良いわけです。


理容師の将来性は世の中のイメージを変えることで、大きく変わるでしょう。人を輝かせたい気持ちは、美容師・理容師ともに同じです。


そのためには古い考えを少しずつ変え、時代についていく必要があるのかもしれません。


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