美容師の働き方・年収・技術
女性理容師が人気!美容師との違いや女性理容師の働き方を解説
2022.01.27 UP
理容師と美容師はどう違う?それぞれの特徴をチェック
理容師と美容師は似た仕事ではありますが、それぞれ特徴があります。
理容師は理容師法に【頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること】と記されています。「整髪」「調髪」とも言われ、カットやシェービングで容姿を整えるのが仕事です。
一方、美容師は美容師法に【パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること】と記されています。パーマやカット、カラーなどで容姿を美しくするのが仕事です。
現在では変わってきていますが、法律ができた当初は男性が身なりを整える場所が理容室であり、女性がオシャレを施す場所が美容室であると定められていたのです。
施せる技術にも違いがあり、シェービングは理容師にのみ許される技術であり、まつ毛パーマやまつ毛エクステは美容師にのみ許される技術なのです。
このような技術の違いから、国家試験の内容にも違いがあります。
女性理容師が増加~人気の理由とは
近年、女性理容師の人気が高まってきている傾向にあります。その理由は3つです。
- 女性の細かな気配りが心地よいため
- 女性客のシェービングの需要が高まっているため
- 女性専用のシェービングサロンが増えてきているため
詳しく解説していきたいと思います。
女性の細かな気配りが心地よい
もともと男性理容師が多い中での女性理容師は、理容室の花とも言えるかもしれません。
女性の笑顔はもちろんですが、男性では気付かないことに気が付くため男性客からも好感度が高いのです。
男性と特に違うのが、会話力ではないでしょうか。口下手な男性に対し、女性は会話の糸口を探し出すのが上手です。
例えばいつもキレイな靴を履いている人や、センスの良い服を着てくる人とはファッションについての話、いつもぴしっとアイロンされたシャツを着てくる人であれば、清潔感や細やかな気配りなどの話が挙げられます。
このような会話は男性が気付かない点でもあるため、女性理容師ならではの利点です。
何気なく襟元を直してくれたり、リュックなどのカバンを背負った時のベルトのねじれに気づき直してくれるのも女性ならではと言えるでしょう。
女性客のシェービングの需要が高まっているため
シェービングをするだけでエステに行ったような効果が得られることから、近年女性客のシェービング需要が高まっています。
しかし女性が理容室に出向き、顔そりをしてもらうことはかなりハードルが高いと思いませんか?シェービングを初めて経験したのは、どのような経緯からだったのでしょうか。
実は温浴施設(スーパー銭湯)に併設されているカットのできる施設は、男女ともに来店することから理美容室であることがほとんどです。半数以上が理容室であると言っても過言ではないでしょう。
そして温浴施設の脱衣所や店内には、「顔そりで肌のトーンアップ」というポップが貼られているのをよく見かけます。この言葉に興味を持つ女性は多いのではないでしょうか。
温浴施設の理美容室は、男女ともに利用しやすい雰囲気なのも特徴です。
理容室に行ってみなければ分からない顔そりのメリットを経験した人の多くは、顔そりの虜になるようです。
しかし女性の顔に触れるのは、なかなか男性には難しいことです。そして「女性に施術して欲しい」という女性客が圧倒的に多いことからも、女性理容師の需要は高まっています。
女性専用のシェービングサロンが増えてきているため
上記のように女性のシェービング需要が高まり、女性専用のシェービングサロンも増えつつあります。
やはり街の理容室に顔そりのために入店するのは勇気がいります。「気軽に利用してもらいたい」そんな思いから、女性専用シェービングサロンが増えているのです。
温浴施設での顔そりとは少し違い、ウェディングコースもあります。顔はもちろん大胆に背中の開いたドレスを着るために、うなじや背中、腕から指先までシェービングしてもらえます。
ここまでの施術は女性理容師でなければできません。
このように女性理容師の需要は高まりつつありますが、給料は低く女性理容師の平均年収は290万円程と言われています。
ここでも理容業の生産性の低さが、給料に影響していることは否めません。
女性も理容室に行っても大丈夫?お断りされた経験も?
現在、理容室は男女問わず利用することができます。しかし、お店の判断で断られることもあるようです。
- 理容室でお願いしたら「女性はちょっと」と断られた
- シャンプー台がうつぶせの姿勢でやる事を理由に断られた
- 男性のように短く刈り上げるスタイルではないことから断られた
上記のような理由で断られた経験がある人は意外と多いようです。この断りの理由から理容室の現状が分かります。
理容室はまだまだ男性客のみといったところも少なくありません。つまり女性の髪の毛をカットするには経験値が低いというわけです。
理容師と美容師は同じように髪の毛を切る仕事ですが、スタイルが違います。イメージで言うと理容師のカットが直線的だとすると、美容師のカットは曲線的です。つまり仕上がりのイメージが全く違ってきます。
このスタイルの違いは理容師・美容師共に認知しているため「勉強していないものはやらない方が良い」といった考えで断ることがあるようです。
ちなみに筆者は美容師ですが、角刈りをオーダーされ「近くの理容室に行った方がキレイにカットしてくれる」と伝えた経験があります。
つまり理容師や美容師だからと言って、性別問わずにどんなカットでもできるのかというと、そうではないということです。
そして「上手くカットできないのにお金を頂くのは申し訳ない」そんな思いから断っているケースがあることも理解しておいたほうが良いかもしれません。
女性がはまる顔剃り~その効果とは
女性フェイシャルケアと言えばエステを思い浮かべる人の方が多いと思いますが、エステよりも低価格なうえに効果絶大ということで顔そりの人気が出てきています。
シェービングで得られる効果は6つです。
- 美肌効果
- 美白効果
- 肌環境を整える
- 美容液の浸透率アップ
- 肌トラブル抑制
- 化粧のノリが良くなる
「本当にエステみたい」と思う人もいるのではないでしょうか。それぞれを詳しく解説していきたいと思います。
美肌効果
顔の産毛は自分で剃っている人がほとんどだと思いますが「剃り残しやヒリヒリ感が気になる」といった話も耳にします。
しかしプロのシェービングで剃り残しは皆無です。しかも産毛だけでなく古い角質も除去でき、角質で隠れていたキレイな肌が表れます。いわゆるピーリング効果が期待できるのです。
古い角質や産毛が肌のざらつきや凸凹を感じさせているので、シェービングで除去することでゆで卵のようなつるつる肌を手に入れることができます。
美白効果
思った以上に産毛は肌にくすみを与えています。剃った産毛を見てびっくりする人もいるでしょう。
薄い灰色のような茶色のような色をしたものが肌を覆っているのですから、肌もくすんで見えて当然なのです。
シェービングで産毛や古い角質を除去することで肌は本来の色を取り戻し、ワントーン明るくなります。
肌環境を整える
年齢と共にターンオーバーは遅くなり角質が溜まりやすくなります。
これは新陳代謝の衰えからくるもので、年齢と共に肌トラブルの原因にもなりかねません。それを正常に近い状態にしてくれるのがシェービングです。
シェービングを定期的にすることで肌のターンオーバーを促し、肌環境を整えることができます。
美容液の浸透率アップ
古い角質のままでは、どんなに高い化粧水や乳液、美容液を使用しても有効成分の吸収を遮られてしまいます。
しかし定期的にシェービングをし柔らかい肌が維持できれば、水分や有効成分は吸収されやすくなり、今まで以上の効果が期待できるようになるのです。
肌トラブル抑制
肌のトラブルと言えばニキビです。ニキビは皮脂や汚れによってできます。
産毛や古い角質が放置されることで皮脂や汚れが付着しやすくなり、毛穴に詰まってしまいます。このような肌環境はニキビにとって好条件で、あっという間にニキビが増えてしまうのです。
シェービングで産毛や角質を取り除くことでニキビのできにくい肌環境を作り、同時に毛穴の黒ずみや角栓も除去することが出来るので、皮脂の分泌も正常に戻るというわけです。
化粧のノリが良くなる
メイクの密着度を妨げているのが、実は産毛だったということをご存知でしょうか。
あの細くてフワフワした産毛も100本集まればかなり強敵で、下地やファンデーションが肌に着くことを邪魔してしまうのです。その結果、化粧のノリは悪くなり化粧崩れをしやすくなります。
シェービングをすることで下地やファンデーションの密着度は上がり、仕上がりはもちろんですが時間が経っても化粧崩れがしにくくなるのです。
女性理容師のみが働く女性専用の理容室はある?
女性のシェービング需要が高まり、最近では女性のみが働く女性専用シェービングサロンも増えてきています。
しかし女性専用シェービングサロンのある地域は限られていて、働きたいと思ってもなかなか難しいかもしれません。
そのような時は思い切って、ブライダル関係で仕事を探してみるのもおすすめです。ブライダルエステをしているサロンであれば、ブライダルシェービングのサービスを提供しているところも多くみられます。
新たな学びも必要になりますがスキルアップになるうえに、理容師免許も活かすことができます。
基本的に女性専用シェービングサロンやブライダルサロンは女性スタッフのみのところが多いですが、採用情報でも確認することをおすすめします。
資格を取るなら理容師?美容師?Wライセンスもあり!
これから女性が理容師か美容師の免許を取るのであれば、将来を考えてから決めたほうが良いでしょう。もし自分で店を構え、長く働くのであれば同性客がメインの美容師がおすすめです。
しかし美容室、美容師共に増えていることから、需要を考えた場合、美容師という職種が厳しいのも現状です。
そこでおすすめは、ダブルライセンスを取得して選択肢を増やしておくことです。女性理容師は人数が少ないため需要は非常に高いですし、女性理容師が立ち上げたサロンも増え、今後は就職しやすくなっていくでしょう。
そして美容師免許も持っていれば、ブライダルサロンでも就職しやすくなります。
ヘアメイクは理容師でもできますが、美容室で働いた方がより多くの経験が積めるのでおすすめです。
ダブルライセンスを取得し両方の経験を積んでおくことは、ダブルライセンス所得者のみが働けるサロンなど、新たな試みを持った事業にも参加できる可能性も高まります。