美容師の働き方・年収・技術
人気美容師になるために必要な3つの技術、向上させる方法を解説
2021.05.28 UP
あなた向上させるべきなのは「カットやカラーそのものの技術」とは限りません
一昔前まではカリスマと呼ばれる美容師の特徴としてカットが上手い、カラーが得意などといった美容師ならではの技術が目立っていました。
しかし、ここ最近の日本の美容師は総合的に見ても技術知識共にかなりレベルが高くなっており、技術的に何が得意で何が上手いという差があまり無くなっています。
美容師の差別化をする基準が技術では無くなってきている昨今、美容師に求められているのは自己プロデュース力です。
スマートフォン普及によりデジタル化が進み、全ての情報を受取そして発信ができる世の中になりました。
昔は、美容師として自分を売るには街中でモデルハントをして髪を切らせてもらい、ヘアカタログにスタイルが掲載されることで情報が発信され世の中に伝わる、といった形でしたが、今はスマートフォン1つあれば実際にご来店頂いているお客様のヘアスタイル写真を撮って、隙間時間に編集し、SNSやホームページにアップすることで簡単に情報発信ができるようになりました。
インターネットが普及したことにより、多くの美容師が情報を発信し、特別な発信力やプロデュース力が必要となりました。よく考えてみると一昔前の方が、今よりも美容師にとって発信する気持ちさえあれば自己プロデュースが簡単に出来たのかも知れません。
人気美容師になるために必要な3つの技術
最初に結論をお伝えすると、人気美容師になる為には『しない』の3原則を徹底しましょう。3原則を解説していきます。
予約させない
これは通常、お客様にご予約をして頂く事から美容師の業務がスタートしますが、その予約という行動をさせないように仕向けるという技術です。
お客様が意識的に予約をするとなると、お客様としては髪を綺麗に、またはさっぱりしてもらおうと捉えますが、ここでは予約をさせずに会いに来させると捉えるべきでしょう。
お金をわざわざ払うという概念や重い腰を上げてスケジュールを割いてまで美容室に行くという感情ではなく、その担当の美容師に会いにいく、言い方を変えれば待ち合わせをする様な感覚にさせるという事です。
新規の場合は予約を取る時からご来店頂いた時も、「予約してきた」と思わせない空間づくりが大切になっていきます。
マネしない
他の美容師のマネをしないという事です。
これは単に技術や接客をマネしないという訳ではなく、美容師としての売り方を変えるという表現が良いでしょう。コンビニの店舗数の約5倍もあると言われている美容室です。
美容師も無数に存在している訳で、同じ売り方をしてもなんら変わりのない美容師です。人気美容師として突出するには周りのスタッフ、近隣の美容室、そのエリア全体でみても他とは違う自分らしさを売り込むという方法を考えましょう。
マネをする事は悪い事ではないのですが、自分の色を出す事を忘れずに取り組んでいく事をオススメします。
囚われすぎない
これは美容業界特有といっていい事なのですが、美容師ならではの掟やルールを忠実に守る事を考えすぎてしまい、お客様目線になれないという事です。
よくある例なのですが、独自のお店の型にはまった接客でなければいけない事や技術のベースに沿って施術を行っていく事など数えれば沢山あります。
もちろん接客や技術もベースやマニュアルは存在していてそのやり方が間違っているという訳ではないですが、そのやり方だけでは人気美容師の立ち位置まで辿り着く事は難しい訳です。
程よく知りながらも囚われすぎずに、自身の個性や色を出していく方法こそ、周りと違う何かを見出せると思います。
美容師が自分の技術に自信を持てなくなるタイミング
このタイミングは突然くる訳ではなくじわじわと心の奥底から湧き出てくるものです。
これには2つの原因があり、まず1つ目は売上です。売上が上がらなくなるというよりは売上が途端に伸びなくなるという表現が近いのかも知れません。
売上は美容師にとって分かりやすい実力の証です。上がれば嬉しい事なのですが下がればモチベーションも下がり、伸びなくなるとこの先の成長を感じられなくなり自信も失っていきます。
続いて2つ目は、集客が出来なくなるタイミングです。スタイリストデビュー時は誰しも集客が困難で藁にも縋る思いで沢山の人に声をかけたり、連絡をしたりとした記憶があるはずです。
しかし、スタイリスト経験を重ねていくと売上も安定していきデビュー当初のようなアップダウンの激しい毎日では無くなる訳です。
そこで集客に対する意識が薄くなりいつの間にか当たり前にお客様から指名を頂けると勘違いしてしまうからです。
本当はデビュー直後よりも経験のあるスタイリストの方が集客の仕方は上手く出来るはずなのにそこを疎かにしてしまい、いつの間にか集客出来る力が弱くなっていきます。1度指名頂いたお客様が今後もずっと顧客になっていただけるわけでは当然ないので、常に新規顧客の獲得を狙っていく為に集客は欠かせません。
その集客力が弱くなると技術や接客、自分自身の成長にも自信が無くなってしまうのでこの2つ目も気をつけていきたい所ではあります。
人気美容師が技術を向上させるために行ったこと
以前、筆者は東京都内激戦区のカリスマ美容師の方とお話しする機会があり、技術力をどう鍛えているかを質問した事があるのですが驚きの答えが返ってきたのです。それは『美容師ではない人から学ぶ』という事です。
美容師は美容師と仲が良く、美容業界のコミュニティに属していることが多い為、他業種との接点が少なくなり、違った角度からの物事を判断出来なくなっているという答えです。
最初は理解しがたい内容だったのですが、じっくり考えてみると美容師は美容仲間が多く、プライベートも美容系やファッション系の話題が比較的多いのです。
全く接点のない他業種の方との交流がなく、刺激を貰える環境が少ないのは間違いありません。
人気美容師が技術の先に行き着く所は、他業種からのアイデアを引っ張るという事です。
美容師のような技術職は色々なアイデアや発想力が重要になります。周りの美容師との差別化を図るには別の角度から物事を俯瞰的に捉えます。ここに人気の秘訣が隠されているのでしょう。