美容師の働き方・年収・技術
美容師に向いていない方の特徴、アシスタント・スタイリスト別に対処法を解説
2021.05.07 UP
性格から分かる美容師に向いていない方の特徴3選
まずは、どんな性格の方が美容師に向いていないのか見ていきましょう。
- 人と話すのが苦手
- 協調性がない
- 向上心がない
どれも美容師として働いていくためには、とても重要な事です。詳しく解説していきたいと思います。
人と話すのが苦手な方が美容師に向いていない理由
美容師は接客業ですから、お客様がご来店してから帰るまでの数十分~数時間、コミュニケーションを取りながら施術していきます。
もし話すのが苦手な方が美容師だった場合、どんな問題が起こるでしょうか。
- お客様の要望が上手く聞き取れない
- お客様がリラックスできない
- お客様からの印象が悪くなる
このようなことが起こるとお客様の再来店は望めなくなります。そして岡谷草間が継続して訪れてくれないということは自分自身の自信喪失にも繋がりかねません。
美容師になりたての頃、筆者はいわゆる人見知りでした。初対面の方と話すのはとても緊張しましたし、何を話していいのかも分からず無言で仕事することも多々ありました。
しかし、無言で仕事をしていると鏡越しに視線を感じ、ふと鏡を見ると心配そうに見ているお客様の顔が目に飛び込みました。
黙々と仕事をしている余裕のない美容師を見て、お客様は要望通りに施術してくれるのか不安を感じていたのだと思います。その後、筆者が施術しながらお客様と積極的に話すようになったのは言うまでもありません。
もちろん、話すのが苦手なお客様もいるので、そう感じた時は無理に話す必要はありません。しかし会話は要望を聞く以外にも、お客様との信頼関係を深めてくれるものでもあります。
「大事な髪の毛は信頼できる人に」という方はとても多いです。やはり会話というコミュニケーションは美容師をするうえで必要不可欠と言えそうです。
協調性がない方が美容師に向いていない理由
サロンでの仕事は、大きなサロンになればなるほどチームワークが重要となってきます。チームワークが悪いサロンは回転率が悪く、お客様の待ち時間が長くなってしまうこともあります。
そこで協調性の無い方が美容師だった場合、どんな問題が起こるのでしょうか。
- スタイリストとアシスタントの連携が取れず、スムーズな施術ができない
- 予約時間にご来店したお客様を時間通り、席に案内できない
協調性の無さは一緒に働くスタッフ以上に、お客様にご迷惑をおかけする事が多いです。そして長時間一緒に働く仲間との協調性は、自分自身が楽しく働くためにも必要になってきます。
時折、職場での人間関係で転職をする方がいますが、原因をたどると「自身の協調性の無さから調和が取れなくなっていた」という事も少なくありません。
では小規模なサロンでは問題ないのかと言うと、そうではありません。少人数だからこそ、周りとの調和が計れないと働きにくい職場になってしまいます。
お客様の為、一緒に働く仲間の為、自分の為にも協調性は必要です。
向上心がない方が美容師に向いていない理由
向上心がない方にもタイプは2通りあります。【根気が無く続かない】【探求心がない】どちらも向上心がないと周りから見られることが多いです。
このように向上心がない方が美容師になった場合、どんな問題点があるのでしょうか。
- スキルアップに時間がかかる
- 仕事が楽しいと思えない
- 練習が苦になり退職する
向上心がないと美容師としての楽しみを知ることができないので、たくさんの負の連鎖が起こります。
まず向上心がないと、仕事が終わってからの練習や休みを返上しての講習会は苦痛に感じるでしょう。しかし、スキルアップには練習や講習会は必須です。
大変な中でも続けていくことで、お客様に喜んでいただけることが増え「もっと上手くなりたい」と思うことができます。そして失敗もポジティブに受け止められる方のほうが、美容師に向いています。
さらに新しいことを知りたいと思う探求心は、お客様に新しい情報が提供できるので信頼を得る事にも繋がります。ここで美容師という仕事にやりがいを感じる方は多いのではないでしょうか。
向上心がない方の場合、このやりがいを感じることが少ないので継続して働くことが難しい傾向にあります。
身体面から分かる美容師に向いていない方の特徴3選
美容師として働きたい気持ちがあっても、身体的に向いていない事もあります。それがこちらの3つです。
- 肌が弱い
- 腰痛もちである
- 身体が弱い
このような特徴がある人が向いていない理由を詳しく、話していきたいと思います。
肌が弱い方が美容師に向いていない理由
美容師はたくさんの薬品を扱います。以前は美容師の手荒れの原因は、シャンプー剤やパーマ液や染料だと思われていました。
しかし薬品自体は、時代を追うごとに肌に優しく改良されてきましたが、未だに美容師で手荒れに悩む人は多いです。実は手荒れの原因は他にありました。
手荒れの一番の原因は、お湯とドライヤーによる乾燥だったのです。そこに輪をかけ、薬剤の刺激が加わり悪化してしまうというのが、美容師ならではの手荒れです。
美容師ではなくても、冬場の食器洗いで手荒れしてしまう方はいませんか?
極端な例え話ですが自宅での食器洗いの場合、1日に3回で済む工程を美容師(特に1年目)は1日に多ければ10回以上繰り返します。
お湯で油分の取られた手にシャンプー剤がつく。
↓
油分の全くない手が温風で乾かされる。
↓
砂漠状態の手に薬品が吸収される。
この悪循環を繰り返すのですから、肌がもともと弱い人は病院通いを余儀なくされます。
筆者の美容師の友人も手荒れがひどく、病院に行ったところ「仕事を辞めなければ治らない」と言われ退社しました。
他にも指の関節という関節にテープを巻いて仕事をしている人、ドライヤーで皮膚が乾いた瞬間にヒビ割れてしまう人、もともとアトピーの症状があり顔まで湿疹が出てしまう人など様々です。
時間に余裕があれば手袋をして施術する、ハンドクリームをマメに塗るなど対処できますが忙しい時にはそれもままなりません。
そのため肌の弱い人は美容師には向いていないと言わざるを得ません。
腰痛もちの方が美容師に向いていない理由
美容師の仕事でもっとも腰に負担のかかる仕事は、シャンプー台での施術です。最近では施術者も座り、無理のない姿勢で行うシャンプー台も増えてきました。
このようなシャンプー台が開発されるほど、腰痛が原因で退社される方は多いのです。
お客様のシャンプーに費やす時間はおよそ10~15分です。その間の態勢は上半身ひねり気味の前かがみで、時折5~6㎏の頭を持ち上げシャンプーします。
10~15分で上半身をひねった前かがみを維持することは、非常に腰に負担がかかります。しかも美容師1年目ともなれば、1日中シャンプー台で施術という事も珍しくありません。
もちろん腰の負担を減らす施術方法も教わるのですが、もともと腰の弱い方はすぐに腰痛もちになります。
美容師の多くが腰痛で病院に行き診断されるのは【腰椎椎間板ヘルニア】です。
長い間、同じ姿勢でいることで体重を支えていた腰の椎間板に負荷がかかり発症します。最初は腰痛だったものが脚等にしびれが現われ、立ち仕事をすることも辛くなってきます。
痛み止めなどでごまかしながら美容師を続けている人も多いですが、腰椎椎間板ヘルニアを治すには2か月以上の安静期間が必要です。
そのため腰椎椎間板ヘルニアになるリスクの高い腰痛もちの方は、美容師には向いていないと言わざるを得ません。
身体が弱い方が美容師に向かない理由
美容師の仕事のイメージとして、華やかなイメージをお持ちの方は少なくありません。しかし、実際に働いてみるとかなりハードな仕事です。
美容師の仕事がハードな理由は以下の通りです。
- 1日立ちっぱなし
- 昼食・休憩が取れない日もある
- 拘束時間が長い
- 指名の予約が入っていると代わりが利かない為、休みづらい
筆者が働いていた中でも、最もハードだったサロンは9:30~19:00までの就業時間中、昼食20分に休憩5分のみでした。ただしサロンは毎日忙しいわけではないので多少のムラはあります。
最近ではここまでハードなサロンは減ってはいるものの、まだまだ体力がないと厳しい現場である事は確かです。
そして身体が弱い人が一番ネックになるのが、少々の体調不良では休みづらいというところではないでしょうか。
チームワークが重要なサロンでは、一人欠けても回転率に影響が出てきます。そしてなによりお客様を受け持つようになると、自分の担当しているお客様に直接迷惑がかかってしまいます。
体調管理も自己責任とは言いますが、身体が弱いと自覚している方は美容師には向いていないと言わざるを得ません。
待遇面から分かる美容師に向いていない方の特徴3選
自分でサロンを開業しやすいという事で美容師を目指す方は多いですが、こんな方には美容師は向いていません。
- 高収入を得たい
- 土日に休みたい
現在でも、カリスマ美容師と言われる人たちが月収100万前後と言われていますが、この金額を手にするのはハードルが高そうです。
高収入を得たい方が美容師に向いていない理由
美容師のアシスタントの給与平均は約13~17万に比べ、一般的なサラリーマンは大卒の初任給で約20万です。
そしてボーナスに至っては平成30年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によると、約24万5,000円の給与のスタイリストで年間の賞与は7万2,000円でした。
一般的なサラリーマンが約1ヶ月分と言われていますから、年収で考えてるとかなりの差になります。
美容師は国家資格を持つ専門職ではあるものの、拘束時間のわりに年収は高くありません。カリスマと呼ばれるような方たちもいますが、一握りと思った方が良いでしょう。
ただしこの年収の低さも後に独立し、サロンオーナーになるための自己出資であると思えれば苦にならない方も多いはずです。しかし、そう思えない方も多いのではないでしょうか。
もし高収入を得たいと思い、サロンオーナーになる夢はなく、美容師という仕事にやりがいを感じないのであれば、他の仕事を選ぶことをおすすめします。
土日休みが欲しい方が美容師が向いていない理由
美容師は、基本的に土日・祝日はお休みは取れないと思っていた方が良いでしょう。なぜなら、世間一般の方たちの休日はサロンも忙しいことが多いからです。
働き始めで友人が土日休みの場合「土日休みが欲しい」と思う方も多いと思います。そしてお子さんのいる方も学校の休みに合わせて休みたいと思う方もいるのではないでしょうか。
パートやアルバイトの場合、土日どちらか出勤できれば可のところもあるので、根気よく探してみましょう。
正社員でも土日休みがもらえるところもありますが、非常に少ないです。やはり忙しい時にこそ、一緒に働いて欲しいと思うからです。
筆者は平日休みのメリットを大いに感じていますが、土日休みが取れないことがデメリットと感じてしまうのであれば美容師は向いていません。
【アシスタント向け】美容師に向いていないと思う場合の対処法
アシスタントの「美容師に向いていない」と思う理由のほとんどが「上手く出来ないから」ではないでしょうか。
もし「何度やっても出来ないから美容師に向いてないのかも」と思ったら、少し考え方を変えてみましょう。
【失敗は成功のもと】と言います。失敗の経験がないと成功は手にできません。これは上手くできるコツを知る以上に、失敗しないコツを掴むことが成功につながるからです。
心がへこむ失敗も無駄ではない、という事になります。
もし他の理由で「美容師にむいてないかも」と思ったら
- 先輩に話してみる
- 同期に話してみる
- 友人に話してみる
まずは人の話を聞いてみましょう。考え方はそれぞれですが、一人で考えているよりも前向きに考えることができます。
そして最終的に自分はどこに向かいたいのか、目標を明確にすることで答えが出てきます。それは他のサロンへの再就職かもしれません。もしかしたら違う職種への転職かもしれません。
「アシスタントなのに辞めていいのか」と悩む方もいるかもしれませんが、タイミングは人それぞれです。色んな人の話を聞き自分で導き出した答えなら、どの道を選んでも後悔はしないでしょう。
【スタイリスト向け】美容師に向いていないと思う場合の対処法
すでに色んな経験を積んだスタイリストが「美容師に向いていないかも」と思った場合、向いていないと思う理由を書き出してみることをおすすめします。
文字にして、改めて自分で見てみると簡単に改善策が見つかるかもしれません。
筆者の場合「美容師に向いてないかも」と思った時は、色んなことにチャレンジしました。
ネイルの勉強をしてみたり、エステの勉強をしてみたり、カット専門店でひたすらカットしてみたりもしました。色々やってみた結果、今現在美容師を続けています。
離れてみないと分からないこともあります。他の事をやってみて、自分に合う職業に巡り合うこともあります。
美容師だけが仕事ではありません。あまり考えすぎずに、行動した方が毎日が充実するでしょう。