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美容師の働き方・年収・技術
美容師の勤務時間は長い?1日の流れや働き方を変える工夫も紹介!
2021.09.27 UP

美容師の平均労働時間はどのくらい?週に○○時間働いています!

10人以上の従業員を雇用している大型の美容室の場合、就業規則があり労働時間が定められています。10~19時勤務、営業時間中に1時間以上の休憩が一般的でしょう。


これを計算すると1日、8時間労働になります。週休1日であれば週48時間、週休2日であれば週40時間働いている計算になります。


休日が週休2日の美容室は多くなく、1ヶ月に6~7日が平均と言われています。


「言われているほど労働時間は長くないのでは?」と思った方も多いでしょう。しかし美容師にとって長いのは労働時間ではなく拘束時間です。


美容業界では営業時間を労働時間と認識され、その他の時間で拘束されているにも関わらず給料に含まれないケースが多いのです。例えばこの3つです。


  • 営業前の準備
  • 営業後の片付け
  • 技術習得のための練習会

10時に開店するための準備や朝礼のために9時半に出勤、19時に閉店してから片付けや終礼で20時。そこから、まだ技術を習得していない人たちは練習会です。


この3つは基本的に営業時間外のため、労働時間ではないと見なされるケースが多いのです。


自分のお店は労働基準法違反になっていない?労働時間は法律で定められています!

労働基準法によると【1日8時間、週40時間】が労働時間の上限として定められています。定められた時間を超える残業は、週に15時間まで残業代を支払うことで可能になります。


この法律は美容室も例外ではありません。


本来なら準備時間や片付けの時間もお給料に含まれていて当然なのでしょう。


しかし固定給の場合、営業時間外の業務も給料に含まれていることが多く、もっと時間がかかっても残業代として支払われることはほとんどありません。


これは昔から美容業界で当たり前とされてきた、休憩時間などの曖昧さからきていると考えられます。


筆者体験!美容室の休憩時間はあってないようなもの

一般的な職業であれば、大体のお昼休憩時間は決まっているでしょう。しかし、接客業である美容師は予約のために休憩時間を取らないことも多いのです。


筆者がアシスタント期に働いていた中規模の美容室は、スタイリストが7人にアシスタントが2人でした。


アシスタントはスタイリストのヘルプが必要ないと思われる時間に休憩を取りますが、休憩だからといってゆっくりはしていられませんでした。


昼食中も電話が鳴れば電話対応、お客様が来店されれば受付に立ちます。そして、何よりも忙しそうなフロアが気になるのもそうですが、スタイリストからヘルプのため呼ばれることもあり休憩していられない状態でした。


そしてスタイリストになっても、カラーやパーマの放置タイムに昼食を取ることは珍しくなく、週末にもなると昼食すら食べていないこともありました。


筆者体験!休憩していないのに時給換算されない美容室

筆者がパートとして雇用されていた美容室は、休憩時間を取れないほど忙しかったことがありました。


しかしその美容室のオーナーは、出勤の帳簿に8時間以上勤務で1時間の休憩、6時間以上勤務で45分の休憩を書くよう指示しました。そして驚くべき一言を言ったのです。


「お給料の計算はその休憩時間を引いた時間で計算してください」


その美容室で働いている誰もが疑問を抱きました。そんな休憩時間などなかったのに、お給料を貰えないのですから当然です。


オーナーの言い分によると「美容室は忙しい時と暇な時のムラがあり、暇な時は何もしていないのだから忙しい時に休憩なしで働くのは当たり前だ」とのことでした。


お客様のいない時間に何もしていないかというとそんなことはなく、棚の掃除や普段できない細かいところの掃除をしていました。


雑務ではありますが、働いていない訳ではありません。この件に関して労働基準局に相談する人はおらず、次々と退社していきました。


出勤帳簿はオーナーの指示で労働基準法を満たしていることになりますが、本来なら勤務した時間はお給料として支払われるべきですし、休憩時間は与えられなくてはいけません。


「暇な時もあるのだから良いだろう」といった考えをもったオーナーは少なくはないかもしれません。そして雇用される側も暗黙の了解で受け入れてしまっている傾向にあります。


また、雇用する側も「何も言わないから理解しているのだろう」と考えていると、痛い目に合うことがあります。


労働基準局からの忠告や、弁護士を通しての残業代請求などの措置が取られる可能性があります。


そうならないためにも、きちんと業務日誌を付け労働時間や休憩時間をチェックし、残業代を支払うようにしましょう。


美容師の1日の流れをご紹介!休憩や練習はいつ行う?

美容師でもランクによって1日の流れは違ってきます。


アシスタント

8:00 出勤・練習


9:00 朝礼・準備


10:00 開店


13:00 休憩(1時間or30分×2回)


19:00 閉店・終礼


20:00~ 練習会


アシスタントは時間調整がしやすいので、早めの時間に入らせてもらえることが多いです。練習は美容室にもよりますが、基本的には営業後が多いでしょう。


筆者はショッピングモールのテナントの美容室で働いていたため練習会が出来ず、営業中の暇な時間を見つけて練習をしていました。


スタイリスト

 

9 :00 出勤・準備・朝礼


10:00 開店


15:00 休憩


19:00 閉店・終礼


休憩は15:00としましたが、美容室の混み具合によって色々です。土日に関しては休憩時間を取らず、食事を口に放り込むだけの美容師も多く見られます。


閉店後の練習は勤務時間に入る?残業代が発生することも

「自分の技術の向上のための練習に残業代はでない」そんな風に考えている美容師は多いでしょう。


しかし現在では少し考え方が変わってきています。


例えば美容室で新たなメニューを始めるために、練習会が必要になったとしましょう。営業時間外の練習会や休みの日に講習会に行くように言われた場合、残業代や休日出勤手当は出るでしょうか。


答えは「Yes」です。美容室の利益のために従業員に技術を習得してもらうのですから、給料は発生します。


ではどんな意図の練習会の場合、給料が発生しないのでしょうか。


既に習得しお客様にも提供できている施術を極めるための練習に関しては、残業代を請求することは難しいでしょう。


このように全ての練習会に対し、残業代が発生しないというわけではありません。


練習会をしている従業員の残業代を支払うべきか否か、経営者は気を付けなくては判断するべきでしょう。


美容師それぞれに合った勤務時間を―お店でできる工夫をチェック!

まず休憩時間をしっかり取るためには、スタッフ同士の協力が必要です。


例えば、薬剤の放置時間からシャンプー、マッサージ、ドライなどアシスタントに任せることが出来れば、スタイリストが休憩に入れます。


逆にスタイリストがシャンプーに入ることで、アシスタントが休憩に入ることも可能になるでしょう。


全てはお互いが思いやる、声かけを行うことで改善されていきます。


そして長い勤務時間を少しでも法律に定められた時間に変えていくためには、経営者やスタッフ全員の理解が必要です。


筆者が働いていた美容室は固定給+歩合で残業代は一切出ませんでした。


ここで良く起こった問題が下記のケースです。


受付終了時間ギリギリに来たお客様を担当したスタイリストは歩合が付きます。しかし、お客様を担当せずに待っているスタッフには一切お給料が発生しません。


そこで疑問が浮かび上がります。ただでさえ長い拘束時間、何もすることがないのに最後までフロアの隅に立っている意味はあるのでしょうか。


お客様目線からも「何もしていないスタッフがじっと見ている気がしてしまう」といった声を聞いたことがあります。


確かに1人のお客様に担当者1人、そして周りに5人のスタッフ…なんとも息苦しい状態になるのは想像ができると思います。


このような場合は受付時間が終了したら仕事の無いスタッフは帰り、次の日の朝は早く来て準備をする。遅くまで仕事をしていたスタッフは片付けをして帰り、朝はゆっくり出勤するなど決めても良いでしょう。


「朝礼や終礼はみんなが揃っていないとダメ」ではなく、美容室の日報ノートを作りお互いの意見交換をし、週1でミーティングをするなどの方法がおすすめです。


お金に余裕のある経営者であれば、パートを増やし顧客管理ソフトを導入することもありだと思います。しかしお金をかける前にお互いの思いやりや、心がけで改善できる部分も多くあるのです。


そのためには日頃から経営者とスタッフに、しっかりとした信頼関係が築けているかどうかが重要になってきます。


そのうえでお互いができる改善方法をミーティングで話し合うと良いでしょう。


美容師に休日はある?美容師の学びは勤務時間以外にもあります!

美容師は一般会社員に比べ休日が少ないと言われています。そのため同じ環境の美容師と話をすることが多く、段々と視野が狭くなる傾向にあるのです。


筆者がアシスタントの時に、美容師ではない友人に久しぶりに会ったときに言われたのが「凄い髪の色だね」でした。


常に美容師仲間と一緒に過ごすことで、一般的なカラーの明るさは麻痺し、どんどん明るくなっていたようです。


そして話す内容といえば、お客様の事や美容師のあるある話です。土日の休みがほとんどないために同じ職種の情報ばかりが入ってきて、他の職種の友人からの情報が乏しくなってきます。


しかし美容業界の常識が世の中の常識ではありません。休日をしっかり取り、新たな発見をすることが仕事に役立つのです。


例えば休日にネイルサロンやエステサロンに行ってみると、美容室とは異なったサービスが見られます。業種は違えど、美容室でもできるサービスもたくさんあるでしょう。


そして違う職種の友人との会話は、今までの自分の常識を打ち壊してくれるかもしれません。


  • 残業代はでない
  • 土日は休めない
  • 仕事が終わったら練習

書き出すとキリがないほどある美容師業界の常識は、会社員の非常識かもしれません。


仕事を覚えることも大事ですが、社会の色々なことを知ることも大事です。知ることで、お客様との会話も広がりやすくなります。


お客様との会話で「それはおかしいのでは?」と思ったことはありませんか?実はお客様の話がおかしいのではなく、自身が知らなかっただけということも少なくはありません。


このように営業時間外の学びは、接客をするにあたって必要不可欠とも言えます。


もし仕事以外に使う時間が取れない職場で働いている場合、フリーランスとして働き自分の時間を作ることも良いでしょう。


より美容師という仕事のやりがいを感じ、美容師としての在り方を学ぶことができると思います。


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