美容師の働き方・年収・技術
美容師のイメージって良い?悪い?美容師の隠された本音も!
2021.10.25 UP
美容師に向いてる人ってどんな人?
美容師に向いている人の特徴はいくつかあります。
- 人とのコミュニケーションが好き
- 美容やファッションへの探求心が強い
- 根気強い
他にもありますが、長年美容師として働いている方の共通点はこの3つでしょう。
美容師のいいイメージとは?気遣いができて褒め上手!
お客様が思う美容師の良いイメージは
- 聞き上手、話し上手
- 話題が豊富
- 器用
- おしゃれ
- モテそう
イメージが当たっているのか、詳しく解説していきたいと思います。
聞き上手、話し上手
美容師はトーク力が高いと耳にすることがありますが、まず第一にお客様を知るために聞き上手である必要があります。
しかし最初からトーク力がある方は、多くありません。お客様を退屈させないため、お客様と親しくなるためにトーク力が必要とも言われますが、これは表向きの理由です。
筆者がスタイリストデビューした時「緊張感を見透かされたくなかった」。これがお客様とたくさんお話をする一番の理由でした。
正直に言って、すべての美容師にトーク力があるわけではありません。話したくない美容師もいます。カットに入りたてなら尚更、話す余裕はありません。しかし鏡越しのお客様の目線に耐えるだけの技術力がないので、必死で話をしていました。
きっと筆者のように、自分の気持ちを悟れないために話しているうちに話し上手、聞き上手になった美容師は多いと思います。
話題が豊富
美容師が話題が豊富なのは、ほとんどが色々なお客様からの情報をストックしているからだと思います。
例えば1日8人担当したら8人分の情報量になりますから、友人と遊ぶよりも情報量が多いということになります。
「○○のケーキが美味しい」「芸能人の○○が結婚するらしい」などお客様からの話題はバラエティに富んでいます。それを自分で情報収集するとしたら…拘束時間の長い美容師には無理でしょう。
情報収集のためにもお客様とのコミュニケーションは必須ということです。
器用そう
なぜか【髪をいじれる=器用】の方程式は昔からあります。例えば「美容師さんは自分の髪の毛は自分でカットするの?」といった質問を良くされます。
たまにセルフカットする美容師もいますが、基本的に美容師が身に付けるのは他人の髪の毛をカットする技法です。理屈では分かっていても、自分の頭に関しては素人同然なのです。
美容師がカットやヘアセットを上手にできるのは、器用だからではなく努力の賜物でしょう。
おしゃれ
以前は制服を着て働く美容室も多く、制服のある美容室には「ダサい」というイメージがありました。
筆者もそのダサいイメージで数年働いていましたが、私服で働くことが主流になってから「どんな服を着ればダサく見えないのか」を考えました。
汚れが目立たずに動きやすく…そしておしゃれにというのは非常に難しいです。基本【美容師の私服=作業服】ですから、高価な服は選べません。
しかし鏡の中の自分を常にお客様に見られているのですから、多少のセンスは必要なのでしょう。ただ筆者が常に思うのは、主役はお客様である事です。そう考えると服も選びやすくなった気がします。
モテそう
モテるかどうかはその人次第ですが、職業柄人当たりが良いと思われることからモテそうとイメージされるのかもしれません。
しかし美容室での美容師は、あくまでも仕事としての接客をしています。一歩スタッフルームに入れば別人…なんていう方も見たことがあります。
お客様としてのファンが多いことはとても良いことですが、だからと言ってモテるのかというと、そうではなさそうです。
仕事が大変そう?美容師の悪いイメージ
お客様が思う美容師の悪いイメージは
- ノリが軽い
- 浮気する人が多そう
- 収入が低そう
イメージが当たっているのか、詳しく解説していきたいと思います。
ノリが軽い
会話のノリは大切ですが「軽すぎてチャラい」と思われる美容師も多いようです。
筆者は同業者でもそう思うことがありましたが、きっとノリが軽いイメージの方が美容業界で生きていきやすいのだろうと思いました。
実は技術職で気難しい方の多い美容界、男性美容師は特に理論的で面倒な時があります。しかしお客様にその気難しさを悟られては、施術中にお客様の緊張はほぐれません。
適度にチャラい感じを演じている方が、お客様も気楽に話せるのではないでしょうか。
浮気する人が多そう
どうしても髪を触ったり、肩を触ったりと異性との距離間の近さや、異性と接することの多さから浮気性の人が多いと思われるようです。
しかしあくまでも仕事です。きっと美容師になりたての頃は浮かれて「あの人良いな、この人良いな」なんて思っていた方もいるかもしれません。
年数が経てば、お客様の言っていることが社交辞令であることも判断できるようになるでしょうし、お客様との恋愛は意外と大変なことも分かります。
そして意外にお客様を恋愛対象として見ていない美容師がほとんどです。
収入が低くそう
収入が低そうなのはイメージ通りです。年商何千万と稼いでいる美容師はほんの一握りで、雇用されている美容師の多くが低収入です。
しかし近年ではフリーランスとして業務委託や面貸しで、今まで以上に稼いでいる美容師も多くいます。
ただフリーランスもヘルプが付かず生産性に限界があるので、稼いでいる人は基本的にかなり忙しい可能性が高いです。
女性美容師と男性美容師のイメージの違いをご紹介!
女性美容師と男性美容師でもイメージは違ってくるようです。
女性美容師のイメージ
- 男性美容師を見慣れていて男性に対する要求が色々ありそう
- 付き合ったら自分もオシャレになれそう
- オンとオフの顔が凄く違いそう
- 料理が苦手そう
詳しく解説していきたいと思います。
男性美容師に見慣れていて男性に対する要求が色々ありそう
多分ですが、男女ともに美容師はお互いがおしゃれでステキと思っている方は少ない気がします。美容室で見る姿は、あくまでも仕事用の姿であることを認識しているからかもしれません。
同じ職場にいると男性美容師の嫌な部分も知っているだけに「男性美容師の様な人はイヤ」という女性美容師も少なくないでしょう。
付き合ったら自分もオシャレになれそう
美容師と付き合う特権の1つが、ヘアスタイルをお任せできることです。しかも雑誌やSNSで研究している美容師なら、服装のアドバイスももらえるでしょう。
しかし人任せにしていると「自分でも本とか見たら?」と言われてしまう可能性もあります。自分でも調べ「こんな感じはどう?」と聞くことで、自分もオシャレになれるはずです。
オンとオフの顔が凄く違いそう
基本的にどんな人も仕事とプライベートでは多少なりとも違いがあるはずです。女性美容師のオンオフの違いは、その日に来店したお客様やお店の忙しさでも変わってくるでしょう。
気を使うお客様が多かった日などは気持ちが落ちたり、忙しすぎてハイテンションになり過ぎたりと様々です。美容師も人間ですから、そうやってバランスを取って日々頑張っています。
料理が苦手そう
未婚の女性美容師の多くが料理は苦手だったり、できるけど料理しない方が多いように感じます。その理由は時間の無さと、働いているうちに「忙しい時はお腹を満たせれば良い」といった考えが食への興味を減退させていくからです。
一方でお酒好きな女性美容師も多くいので、グルメな方は多いです。しかし結婚して子供を授かると、嘘のように料理上手になる方もいます。
男性美容師のイメージ
- 女性のお客様からの誘いが多そう
- 後輩アシスタントと付き合ってそう
- 休みの日は男友達とばかり遊んでそう
- イケメンが多い
詳しく解説していきたいと思います。
女性のお客様からの誘いが多そう
男性美容師がモテそうなイメージは、多くの方が持っているようです。その理由は会話のうまさや気の使い方、そして距離感の近さからでしょう。
しかし思いのほかお客様からのお誘いは多くなく、むしろ何気なく男性美容師が誘っていることが多い様な気がします。
後輩アシスタントと付き合ってそう
美容室のあるあるで、他の業界の方と知り合うきっかけが少なく、毎日の練習会で一緒に過ごす時間の長い相手に恋愛感情を抱いてしまうパターンです。
女性美容師は意外と気が強い方も多く、男性美容師は素直なアシスタントに可愛さを感じるのだと思います。
休みの日は女友達とばかり遊んでそう
常に女性に囲まれて仕事をしているイメージの強い男性美容師ですが、休日も同じかというと違うようです。
どうしても美容師の仲間に女性が多いので、いつも一緒にいそうなイメージがあるのかもしれません。ちなみに、休日はほとんど人と会わない美容師も多いです。
イケメンが多い
もし男性美容師が無精ひげで、服装も髪型も気にしていなかったらどうでしょう。そんな方に担当されるのは遠慮したいと思う方が多いと思います。
以前美容室で、70代位の男性美容師を見かけたことがありました。70代の男性のイメージと言えば【近所のおじいさん】ですよね。
その方は白髪の髪の毛を結び、無精ひげを生やしていました。しかし筆者は「この方はイケメンである」と確信したのです。
その理由は人に見られているという意識を常に持ち、パリッとしたシャツにアイロンのかかったチノパンを履いていたからです。
もしヨレヨレのシャツにシワシワのチノパンだったら、近所のおじいさんと何ら変わりがありません。きっと男性美容師にイケメンが多いと感じるのは、人から見られていることを美容師が常に意識しているからかもしれません。
美容師って本当はどう思ってる?イメージと本音のギャップとは
筆者も含め、美容師は全体的に表に出さないストレスを抱えている方が多いようです。それは時にグチとして現れ、場合によっては無関係な後輩に当たることで発散されます。
周りとしては迷惑な話ですが、そうすることで美容師として働き続けていられるのだと思います。
ここでは筆者が思う本音を紹介したいと思います。全ての美容師がそう思っているわけではありません。
髪型を丸投げするお客様
カリスマ美容師が流行った頃「似合う髪型にしてください」「お任せで」といったオーダーが増えました。
毎日TVで見かけるカリスマ美容師が「この髪質にはこんな髪型が…」と言っているのを聞き「美容師は全員それに応えてくれる」と思ったのでしょう。
当時、働いていた美容室は低価格が売りで、忙しい毎日でした。ある日、初めて来店した男子高校生を担当した時に彼は「似合う髪型にしてください」と言いました。
その日はとても忙しく、少しイライラしていた筆者は「坊主も似合いそうですけどOKですか?」と言いました。もちろん男子高校生は「坊主はちょっと…」と苦笑いでした。
きっと似合う髪型と丸投げはしてみたものの、自分なりにイメージしていた髪型があったのでしょう。
「カリスマ美容師がいる美容室から出てくるお客様は、みな同じ髪型をしている」そんな話を聞いたことはないでしょうか。
実はカリスマ美容師が作る髪型が流行を作り出し、その髪型にしてもらうことでお客様の満足度が上がっていたのではないかとも言われています。
カリスマとはほど遠い筆者から言わせると「他人が似合うと思う髪型と、自分が似合うと思う髪型は違う。そして自分でスタイリングできる髪型と、ステキだけどその日限りの髪型のどちらが良いか」と思うわけです。
厳しいようですが髪型は美容師に丸投げするのではなく、美容師とお客様と二人三脚で考えていくべきではないかと思います。
そんな話で閉店後、美容師で盛り上がってしまったのは言うまでもありません。
イメージと違って急に泣き出したお客様
緩いクセ毛風のパーマが流行っていたころ「パーマが緩すぎて再現できない」といったクレームが急増しました。
美容師ならスタイリングでフワフワに仕上げられる髪型も、お客様には難しいことが多々あります。そんなこともあり筆者は、クセ毛風パーマのオーダーが入ると必ずお客様に伝えていたことがありました。
「緩いパーマは濡れている時はかかって見えますが、朝起きた時はほぼ真っすぐなので濡らしてからスタイリングして下さい。もし朝に髪の毛を濡らすのが面倒な場合は、希望よりも少し強めの方が手入れが楽です」
その日もクセ毛風パーマをオーダーした若い女性に説明をしました。「じゃあ少し強めで」と言われ施術に入ったのですが、パーマがかかり鏡の前でタオルを外すと彼女はジッと鏡を見つめていました。
そして次の瞬間、彼女の目から大粒の涙がポロポロ零れ落ちたのです。
理由は彼女が想像していたよりもパーマが強かったからです。筆者が見る限り、この強さでも自分でスタイリングするのは難しいだろうと思う強さでした。
周りのスタッフが筆者を心配そうに見ていました。その後も確かに大変だったのです。
「もし強いようならかけ直します」「いいえ、大丈夫です」しかし涙が止まりません。彼女はお店から出るまで泣いていました。
「写真を持ってきてくれれば分かりやすかったのに」そんな思いと申し訳ない気持ちと、複雑な心境でした。
しかし髪型は言葉で伝えるのが非常に難しく、パーマの強さも人それぞれ感じ方が違います。それ以上に髪質や毛量でも、実際の仕上がりとイメージは大きく変わるのです。
今まで以上にカウンセリングの重要性を感じた出来事でした。
美容師としてはお客様の希望に添えるよう最大限の努力をしていますが、たまに沿えないこともあります。そんな時は次回に期待して、もう一度チャンスを頂けたらと思います。
筆者はこのような経験を経て、カウンセリングでお客様にも理解してもらえるように伝える努力をしています。
美容師は、お客様にはいつも笑顔で帰って欲しいと願っています。