美容師の働き方・年収・技術
美容師の平均ボーナスや、アシスタントが安いと言われる理由を調査!
2021.12.27 UP
美容師にボーナスはある?平均ボーナスを年収と合わせてご紹介
ボーナスが支給されるかどうかは美容室によって異なりますが、年間平均賞与は約7万円程度と言われています。
キャリアによって年収が違うようにボーナスや特別給与の額にも差があります。
キャリア | 年収(時給) | ボーナス(+特別給与) |
---|---|---|
アシスタント | 150~180万円(625~750) | 約5,000円 |
ジュニアスタイリスト | 180~200万円(750~833) | 約32,000円 |
スタイリスト | 250~300万円(1,041~1,250) | 約76,000円 |
チーフ | 300~350万円(1,250~1,458) | 約110,000円 |
店長 | 350~450万円(1,458~1,875) | 約150,000円 |
※時給は8時間勤務、25日出勤で計算
令和3年に最低賃金が引き上げられ東京1,041円、沖縄820円になりました。最低賃金の低い沖縄で時給を元に計算をしても196万円になるので、アシスタントでも年収約200万円程度の収入は得られていると予測できます。
筆者が20年前に、初めて頂いたボーナスが5,000円でした。近年の平均ボーナスと比べても、大きな変化はありません。
現在では見直され多少は良くなっているとは思いますが、決して満足のいく金額ではないでしょう。
そして【カリスマ】と呼ばれている美容師の中には、年収1,000万円を超えている方も多くいます。「さぞかしボーナスも多いはず」と思いますが、多分上記の金額と大きくは変わらないでしょう。
美容室の求人を見ていると「賞与、ボーナス有」と書かれているものはよく見かけますが、具体的な内容は書かれていないところが多いです。
つまり賞与やボーナスの影響で年収が大きく変わることはないと考えられます。
他の業界の平均年収とボーナスはどのくらい?美容師と他業界との比較
美容師のボーナスが低いことは有名ですが、他の職種のボーナスと比較してみましょう。
職種 | 年収 | 夏季賞与 | 冬季賞与 |
---|---|---|---|
電気、ガス業 | 約714万円 | 778,997円 | 778,952円 |
飲食サービス業 | 約319万円 | 55,296円 | 66,202円 |
医療、福祉 | 約418万円 | 284,697円 | 317,351円 |
参照元:厚生労働省【令和2年度賃金構造基本統計調査】
年収を見ると飲食サービス業は、美容師に近いことが分かります。しかしボーナスに限っては美容師の方が低いです。
なぜ美容師のボーナスは低いのでしょうか。
なぜ美容師のボーナスは安いの?
美容師のボーナスが低いのには2つの大きな理由が考えられます。
施術料金の値下げ
平成元年から令和元年までに増えた美容室の店舗数は68,970軒で、美容室の総数は令和元年の時点で25万4,422軒になりました。
2000年に放送された木村拓哉さん主演「ビューティフルライフ」をきっかけに美容師を目指す男性が急増し、美容室も加速をつけ増え始めたのです。
美容室が増え利用者からは「選択肢が増える」といったメリットがありますが、美容室側は顧客の取り合いが始まりました。
たとえ話として、人口が100人の地域に2軒の美容室が4軒に増えた場合で考えてみましょう。
まずは、100人の中から来店してくれるお客様を見つける必要があります。どんなにカットが上手でも、まず来店してもらえなければカットの上手さは伝わりません。
そこで集客のために「少しでも低価格で良いものを提供すれば人は集まる」と考えるオーナーが増えたのです。
筆者がジュニアスタイリスト期間を過ごした美容室はカットが3,600円、パーマは9,000円程度でした。
しかし新たに出店する美容室の多くがカットは2,400円、パーマは6,000円、カラーとカットで5,800円と低価格で提供し始めます。
そして現在ではカットが690円、カラーとカットで2,600円、パーマが3,300円まで価格は下がり、客数が見込めなければ従業員への給料の支払いさえ危ういのは一目瞭然です。
このような状態で十分なボーナスを支給することは、経営を圧迫し閉店に追い込まれかねません。
経営陣のコストカット
美容室を経営するうえで削れないコストが多くあります。
- 家賃(3年に1度更新で更新費がかかる)
- 光熱費(電気、ガス、水道)
- 広告費(某広告サイト6~70万円)
- 材料費(売上の約20%)
- 人件費
美容室の経費の多くが、売上に関係なく支出していきます。しかし毎月の売上は安定しておらず、数十万もの差が出ることもあるのです。
人の思考は忙しい時にのみクローズアップされ「給料アップ」「ボーナスアップ」を望みますが、経営者はそうはいきません。
売上の低い月にも決まった固定費はかかり、従業員に給料を支払う必要があります。このプラスマイナスを差引していくと、ボーナスの金額もカットせざるを得ないというわけです。
時々「経営者は従業員にもっと還元すべき」といった話を耳にしますが、従業員は経営者が還元したくてもできない時があることも理解する必要があるのかもしれません。
このことは自身で店を構えるまで理解することが難しいため、美容業界は同じ失敗を何十年と繰り返しているのでしょう。
美容師の貯金額はいくら?おすすめの貯金術も合わせてご紹介!
美容師の平均貯金額は約3万円程度と言われています。この金額は月に3万円を貯金するのではなく、貯金総額です。
貯金額のふり幅は大きく、ゼロの人もいれば独立開業を目指し数百万円を貯金している人もいます。
ここでは「なぜ貯金ができないのか」「貯金している人はどんな方法で貯金しているのか」について解説していきたいと思います。
美容師が貯金できない理由
理由は4つあります。
- 固定費の支払いでなくなってしまう(家賃、光熱費、通信費、食費など)
- 講習費、道具代の支払い
- 健康保険、国民年金への加入
- ボーナスがない、もしくは低い
実家から通っている人であれば家賃や光熱費は必要ありませんが、一人暮らしの場合この2つは大きな負担になるでしょう。
そして思った以上に出費としてかさむのが、講習費と道具代です。どの様な講習を選ぶか、どのような道具を選ぶのかで支出は変わってきます。
しかし講習費や道具代は自己投資と考え、積極的に良いものを選びましょう。きっと満足のいくものに巡り合えるはずです。
他にも自分で保険に加入する場合やボーナスがあてにならないなど、貯金できない理由は挙げればたくさんでてきます。
では美容師みんなが貯金できないのかというと、そうではありません。
筆者の美容師の友人は29歳で融資を受けることなく、自分の店を構えました。悪条件の中、貯金ができている美容師はどうやって貯金していたのでしょうか。
悪条件でも貯金する方法
美容師は決して収入が良いとは言えません。その中でも少しづつ貯金する方法がこちらです。
- 定期預金口座を作る
- 500円玉貯金
定期預金は、強制的に毎月引き落とされるので意志の弱い人におすすめです。月に3,000円でも1年で36,000円。美容師の平均貯金額を超えることができます。
そして筆者が常々やっているのが500円玉貯金です。100円ショップなどでクリアな貯金箱を購入し、財布にある500円硬貨は全て入れます。
その代わり500円硬貨がない日は貯金もしません。このような方法で筆者は1年で13万円貯めることができました。
「1ヶ月に1万円の貯金をすればいいのでは」と思う方もいると思いますが、500円と言う小さな額が継続の秘訣です。
「1万円貯金して足りなくなったら…」より「500円ならなくてもなんとかなる」このくらい軽い考えが大事かもしれません。
ただし、手元にお金があるので途中で開けてしまう人も多いようです。ちなみに大量の硬貨貯金は口座に入金する際に手数料がかかる場合があるので注意しましょう。