美容師の働き方・年収・技術
美容師のアシスタントとは?仕事内容や給料・大変なこともご紹介
2022.05.26 UP
美容師のアシスタントとは?スタイリストとの違いも
美容室では、スタイリストを目指している下積み期間の人をアシスタントと位置づけています。
多くのアシスタントは受付や清掃、接客の仕事、そして技術者の補助などの雑務をこなしながら学んでいます。アシスタントがスタイリストに昇格するまでの期間は美容室により異なりますが、平均して2~3年はかかるようです。
ちなみにスタイリストとは主担当になれるだけの技術を身に付け、自分の施術全てにおいて責任を持てる人の事を言います。
美容師のアシスタントの仕事内容~一日の流れも~
アシスタントはお客様を担当しない=仕事が少ないではありません。アシスタントの仕事は休む暇がないほどたくさんあるのです。
まずはアシスタントの仕事内容を見てみましょう。
アシスタントの仕事内容
美容師のアシスタントの仕事は大きく分けて3つあります。
- 接客
- 清掃
- スタイリストの補助
参考:美容師のランクを全て解説!アシスタント・スタイリストの業務内容・給料の違いとは?
詳しく解説していきたいと思います。
接客
お客様の受付や会計、荷物の受け渡し、電話での問い合わせや予約の対応など様々な仕事があります。しかも受付は、お店の顔と言えるほど重要な役割です。
大型美容室であればレセプション(受付)を担当する人がいるので、来店時のお客様対応や電話対応をアシスタントがすることはあまりありませんが、中規模から小規模の美容室ではレセプションが請け負う仕事のほとんどがアシスタントの仕事になります。
忙しい上に大変な仕事ですが、丁寧な接客や心遣いを身に付けるための大切な期間とも言えるでしょう。
清掃
清掃や片付けがアシスタントの役割の大半を占めると言っても過言ではないでしょう。むしろアシスタントが清掃や片付けをしてくれているからこそ、フロアの作業は円滑に進みます。
「カットが終わったら床を掃く」「お客様に使用したタオルやクロスを片づける」「汚れた鏡を拭く」などの地味な作業ですが、お客様に気持ち良く安心して店内で過ごしてもらうためにも重要な仕事なのです。
スタイリストの補助
補助と聞くとお手伝い程度で、大した仕事ではないと思う人もいるかもしれません。しかし実際は、薬剤や器具の準備、作業中のヘルプなどさまざまな補助を行なっています。これらはアシスタント自身の勉強になるだけではなく、店全体の流れを円滑にしてくれます。
スタイリストがお客様を待たせることなく仕事をするためにも、アシスタントの補助は重要なのです。
近年では面貸しや業務委託が増え、アシスタントを付けず作業するスタイリストが多くなりました。その際、多くのスタイリストは、売上は自分だけの成果ではなかったと、身に染みて感じているのではないでしょうか。
アシスタントの一日の流れ
大型美容室の場合、アシスタントの一日はかなりハードです。アシスタントの一日のスケジュール例を見ていきたいと思います。
8:00 出勤…朝の準備の前に練習。
9:00 準備・清掃…外の掃除、窓ふき、鏡拭き、タオルをたたむなど、お客様を迎える準備をする。最初のお客様に必要な器具やタオルを準備をする。
9:30 朝礼…予約状況の把握、前日の反省点から自分が気を付ける点を明確にしておく。
10:00 開店…受付作業
14:00 休憩…忙しい日は1時間の休憩を取ることも難しいことがあり、薬剤の放置時間中に食事をすることも多い。
19:00 閉店・清掃…レジ締め、タオルの洗濯や床掃除など店内の清掃
19:30 終礼…一日の反省点を振り返る
20:00 練習会…自分が身に付けるべき施術の練習をする
22:00〜23:30 退社
あくまでも例なので、全ての美容室に当てはまるわけではありません。しかし、有名店などは更に忙しいスケジュールで働いていることもあるようです。
美容師のアシスタントは辛い?アシスタントが大変だと言われている理由やあるあるも
どの職種も働き始めは辛いことも多いと思いますが、美容師ならではの辛い点を見ていきたいと思います。
- 拘束時間が長い
- 給料が低い
- 土日に休めない
- 休憩時間が取れない
- 手荒れ
- 腰痛
これらは【雇用条件】【人手不足】【肉体的苦痛】の3つに分けられます。詳しく解説していきたいと思います。
雇用条件
美容師の雇用条件は、一般的なサラリーマンに比べあまり良くないと言われています。その代表的なものが拘束時間の長さと給料の低さです。
アシスタント期間の営業後の練習は自分のためとは言え、辛いと感じる人が多いようです。
一日働いて疲れている上に「友人と会ってストレス発散ができない」「家にいるより店舗にいる時間が長い」など、美容師ならではの辛さが退職に繋がることも珍しくありません。
しかも営業時間後の練習時間に残業手当が付くことは少なく、やりがいを感じられなくなるアシスタントも多いようです。
人手不足
美容師免許登録者の数は年々増えてはいるものの、人手不足を訴える美容室が多いです。その理由は人手不足による激務から、雇用されている美容室を離れフリーランスとして働いている人が増えているからと考えられます。
人手不足になり忙しくなるのは、スタイリスト以上に補助に回るアシスタントではないでしょうか。
スタイリストにはお客様一人を終えると区切りがありますが、アシスタントは数人のスタイリストの補助に回るため仕事の区切りがありません。
そのため休憩時間にも入れず、気が付いたら夕方なんてことも珍しくないのです。
肉体的苦痛
基本的に肉体労働と言われている美容師の仕事の中で、一番ハードなのがアシスタントの仕事でもあるシャンプーです。
忙しい美容室では、シャンプー台を離れている時間の方が短いというアシスタントもいます。多ければ一日10人以上のお客様のシャンプーに入ることもあります。
アシスタント期間に多くの人が経験するのが、手荒れと腰痛でしょう。お湯を使ったシャンプーは手の皮脂を取り、さらにドライヤーの熱風を当てることで皮膚は砂漠状態です。
ハンドクリームをつける時間があれば良いですが、忙しいアシスタントのそんな余裕はないでしょう。
そしてシャンプーをするときの姿勢は、非常に腰に負担がかかります。慣れない体で、長時間のシャンプー台での作業は確実に腰痛を引き起こすのです。
結果、体を壊し退社を考えるアシスタントが多いようです。
美容師のスタイリストになるには?アシスタント期間や給料もご紹介!
美容師のアシスタント期間は2~3年と言われていますが、大規模な美容室になればなるほどアシスタント期間が長いようです。
アシスタントがスタイリストになるには、全ての技術が出来るようになる必要があります。美容室によっても異なりますが各技術ごとにテストを設け、合格する毎にランクアップしていくところが多いようです。
アシスタントの初任給は20万円前後と言われていますが、テストに合格しお客様の施術に入れるようになると技術手当が付き昇給していきます。
他にも商品などをおすすめして販売することができれば、店販手当が付く美容室もあるようです。
美容師のアシスタントの求人情報をチェック!
近年美容師のアシスタントの求人は増えています。その理由はフリーランスとして働く人が増え、スタイリストの退職が増えているからだと考えられます。
雇用されているスタイリストにとって、フリーランスの自由な働き方は魅力的に見えるのでしょう。
そのため辞めにくい人材であるアシスタントを募集し、店舗の回転率を上げようという美容室が増えているようです。
スタイリストになると働き方を自由に選べるようになりますが、アシスタントはそうはいきません。
まずは技術を身に付けることが先決になります。
技術をきちんと身に付けるためには、長く同じ美容室で働くことが近道です。その為にも、働く美容室の雰囲気やシステムは重要と言えるでしょう。
アシスタントが求人情報を見るときに、気を付けて見てほしいポイントは【求人内容が丁寧に書かれているか】です。
そこには「カリキュラムが整っているか」「福利厚生が充実しているか」「残業手当、休日出勤手当があるか」なども含まれますが、それ以外に応募する側が聞きづらい昇給や昇格、手当についても明記されていることが望ましいです。
アシスタントが求人情報を見る際には給料や立地条件、休日や就業時間ばかりを見てしまいがちではないでしょうか。その理由は、何を基準に美容室を選ぶべきかを知らないからだと思います。
しかし大雑把な求人情報は多く、様々な美容室を知らない人材を募集する上で、あまりに不親切ではないかと筆者は感じました。
「求人募集をする美容室は人手が欲しい」「求人に応募する人は仕事が欲しい」そこに上下関係は存在しません。
したがって求人募集を見るときは条件も重要ですが、美容室側の「ぜひ私たちと一緒に働いて欲しい」という思いの伝わる求人情報を見つけて欲しいと思います。
見る側も求人情報の中に見える相手を想像することで、良い美容室に巡り合える可能性がアップするというわけですね。
アシスタント期間を過ごす美容室選びは、非常に大切です。そこでつまずき、美容師の道を諦める人も少なくありません。
気持ちよく働ける美容室を見つけるためにも、求人情報は焦らず慎重に探しましょう。