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美容師の独立・開業
美容師の面貸し(ミラーレンタル)とは?相場や契約における注意点まで解説
2021.06.07 UP

美容師の面貸し(ミラーレンタル)とは?

面貸しのミラーレンタル型とは、美容室の使われていない時間の鏡と場所をレンタルすることを言います。ミラーレンタル型で働く美容師は自分の顧客をレンタルした場所で施術し、その収益の中から場所代を払うシステムです。


近年フリーランスとして働く美容師が増え、面貸しはもっともポピュラーな働き方になりました。


フリーランスとはお店を持たない個人事業主の事を言い、家賃や光熱費が必要ない為【新しい経営方法】と言っても良いでしょう。


美容師業界に限らない話でいうと、フリラーンスは欧米では一般的な働き方で、日本では1990年頃から少しづつ広まり今に至ります。


そして面貸しには、もう一つ【業務委託型】があります。


業務委託は委託された美容室の顧客を施術し、美容室から報酬をもらうシステムです。この場合、来店される客数に対し美容師が不足しているため業務を委託されます。


つまり、自分の顧客がいなくても仕事にありつけ、美容室で最も大変な集客をしなくても良いことになります。


どちらも会社に属していない点では似ていますが、どちらのスタイルが自分にあっているかはよく検討してから決めた方が良さそうです。


面貸しの相場ってどのくらい?

面貸しにかかるレンタル費用は時間単位、もしくは成果報酬が多いです。


相場は立地条件や客数でも変わってきますが、時間単位の場合は1時間当たりの相場は1,500~2,000円程度、成果報酬の場合は売上の30~50%程度が相場のようです。


例えばカット4,000円(30分)を1日6人施術した場合、24,000円


【時間貸し】2,000円の場合


2,000円×3時間=6,000円 24,000円-6,000円=収益18,000円


【成果報酬】50%の場合


24,000円×50%=12,000円 24,000円-12,000円=収益12,000円


同じように働いても、収益はかなり変わってきます。これがカットに1時間かける方であれば、収益は12,000円です。


このように施術にかける時間や施術内容によっても収益が変わってくるのが、面貸しの特徴でもあります。


しかし、今までの利用料では働けば働くほど費用もかかってしまうため、フリーランス美容師の面貸し離れは抑えきれませんでした。


そこで近年、定額制や定額+成果報酬など美容師にとっても優位な条件を提案しているところもあるようです。


筆者の面貸し体験談【業務委託】

今から約20年前、1000円カットが登場し美容業界が大きく変わりました。それが完全歩合の今で言う【面貸し】だったのです。


当時、歩合制の美容室は増えつつありましたが完全歩合の美容室はなく、斬新な感じを受けたことを覚えています。


報酬は1人カットすると500円、10人で5,000円です。今の美容室の来店数から考えれば、何人もスタッフがいて1日に10人もカットに入るほど集客ができるのか疑問に感じる方もいるでしょう。


しかし当時、週末ともなれば開店前から列ができ、1日に100人以上の来店は珍しくはなかったのです。筆者も1日に30人カットする日もありました。


出勤する日も時間も自由、施術に入る客数も自由だったので出勤しても休憩の多い方もいましたし、ずっと働いている方もいました。


それぞれが個人事業主なので、良くも悪くも他人に無関心だったように思います。


筆者は他の美容室で働くまでの繋ぎとして数ヶ月間働いていました。働いていて不安だったことはフリー客のみだったので「暇な日が続いたら報酬ゼロ」という事です。


しかし1日30人の施術が25日間可能だとしたら、375,000円です。「雇用されているよりもはるかに高い利益が得られる」とも思いました。


ただ利益のために数をこなすことが楽しかったかと言うと技術の向上にはなりましたが、筆者自身は会話も楽しみコミュニケーション力の高い美容師でありたいと思ったのが本音です。


筆者が経験したのは、あくまでもカットの時間に制限のある面貸しです。オールマイティーにこなす美容室であればイメージは大きく変わったのではないでしょうか。


【オーナー編】面貸しのメリット・デメリット

非常に理にかなったように見える面貸しですが、やはりメリットもあればデメリットもあります。まずはオーナー側からみたメリット・デメリットを見てみましょう。


面貸しオーナーのメリット

  • 労災・雇用・社会保険などの負担がない
  • 外注にかかった費用は、仕入れ税控除の対象になるため消費税納税が軽減される
  • 住民税や所得税を徴収する義務がないため、事務手続きが簡単
  • 年末調整をする必要がない
  • 給料保障の必要がないため、人件費の節約ができる
  • 人材教育の必要がない

こうしてみると普通に雇用しているオーナーの負担が思いのほか大きいことが分かります。それが雇用しないスタイルに変わるだけで軽減されていくことを考えると、新しい働き方として【面貸し】を考える余地はあると思いました。


面貸しオーナーのデメリット

  • 税務署と労働基準監督署に対し、面貸し(請負契約)が証明できる書類を作る
  • 個々の美容師のクレームでも店舗のイメージが悪くなる
  • チームワークでの収益を上げることが出来ない

それぞれが個人事業主になるので、今までの美容室で当たり前だった事が当たり前ではなくなります。


例えば、アシスタントがヘルプにつくこともありません。スタッフ同士が一致団結しお店を盛り上げることもありません。そのため、協力しあって美容室全体の売上を上げることは難しいでしょう。


【美容師編】面貸しのメリット・デメリット

次に働く側のメリット・デメリットを紹介します。


面貸しを利用する美容師のメリット

  • 拘束時間が少ない
  • 人間関係の煩わしさがない
  • 開業初期投資が必要ない
  • 最小限のリスクで経営を学べる
  • 店舗を持たないため、経営リスクが少ない

やはりメリットは自由に働けることのようです。働く時間も休む日数も、全て自分の自由に決めることができます。


美容師の離職理由の上位にもランクインしている「拘束時間の長さ」を解消できる点は、大きなメリットと言えます。


面貸しを利用する美容師のデメリット


  • 社会保険などの保証が何もない
  • 歩合率で納得がいかないことがある
  • チームワークに頼れない分、実力が必要である
  • 請負契約のため、いつ契約解除になるか分からない
  • 確定申告のための経理を毎月やらなくてはならない

面貸しは施術の全てをひとりで行うため、アシスタントのいた美容室での月間売上が100万円だった美容師の売上も下がります。


いかにチームワークで、高額な売上が達成できていたかを思い知る方もいるでしょう。自分の仕事の仕方を考える、良いきっかけにもなります。


要チェック!面貸しの契約上の注意点を知っておこう


今までの美容室の雇用とは違い、個人事業主として場所を借りるため契約も気を付けなければいけません。働き始めてからトラブルにならないように、最初にチェックしておきましょう。



美容師の契約上の注意点

  • 【ミラーレンタル型】【業務委託型】のどちらの契約なのか
  • カラー剤など材料がレンタル代に含まれているのか


基本的に求人の際にミラーレンタルなのか業務委託なのかは書かれています。しかし、契約をする際は今一度確認しましょう。似ているように感じますが、全く形態が違います。



そして使用料に材料費がふくまれるか確認をしておきましょう。今までの面貸しは、材料費は基本的に美容師負担でした。しかし最近では面貸しの料金設定の多様化から、材料費を含まれているのかも店舗により様々です。



カットのみならこのような問題は起こりませんが、カラーやパーマなど薬剤を使う施術は材料費が関係してきます。材料費は売上の約6~10%程度です。



【売上50万円/成果報酬50%の場合】収益25万円-材料費5万円=手取り20万円



意外と材料費の負担が大きいことが分かります。しかし自分の使い慣れた薬剤を使いたい方もいるので、一概にどちらが良いとは言えません。



したがって契約の際には材料費を美容師が負担するかを確認し、料金設定を考える必要があるでしょう。



オーナーの契約上の注意点

  • 賃貸契約の確認
  • 決まり事を書面化する
  • 契約書は法的効力のあるものにするため、弁護士に確認してもらう


意外と見落としがちなのが、賃貸契約の確認です。面貸しを始める際にその店舗のオーナーに、面貸しが可能かを確認しておかなくてはなりません。これを怠ってしまうと、また貸しと判断され違約金や契約解除という事もあり得ます。



そして契約は必ず書面に残しましょう。人の言葉と記憶ほどあてにならないものはありません。特に金銭面の事はトラブルになりやすいので、詳しく書き残した方が良いです。



決まりごとは全て書面に残し、法的効力のあるものにするために弁護士に確認してもらいます。例えば、働く美容師が知人で会っても口約束はNGです。



【親しき中にも礼儀あり】親しい人こそトラブルは起こしたくないものです。きちんと形のあるものにすることで、トラブルを避けることができるでしょう。



オーナー、美容師双方の契約上の注意点

  • 経費と売上を分けて管理しておく
  • 双方が納得いくよう決めていく
  • 契約書をきちんと保管しておく


同じ美容室に複数の事業主がいることで、税務署からあらぬ疑いをかけられることがあります。経費と売上を双方が分けて帳簿を付けることで、誤解は簡単に溶けるので必ず双方で実行しましょう。



 そして契約を交わす時は、双方が必ず納得し把握してから捺印することが大事です。「契約書なんて面倒」と思い適当に扱っていると、思わぬトラブルになります。



そうならないためにも双方が納得し、双方が解約解除になるまできちんと保管しておかなくてはなりません。


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