美容師の独立開業

美容師の独立・開業

平成27年度末の調査によると、美容業に従事している美容師の数は、約50万人です(理容師美容師試験研修センター調べ)。

美容所の数は、およそ24万件です(衛生行政報告例より)。

これらのことから分かるように、美容師資格取得者の約48%の方が独立・開業しています。

多くの方が独立・開業を目指すということは、それだけライバルが多いということです。

このような状況で独立・開業を目指すためのお役立ち情報をご紹介します。

美容師にとっての独立・開業

独立と開業はほぼ同じ意味ですが、美容師の世界では、その捉え方に違いがあります。

独立①フランチャイズに加盟してオーナーになる

全国で店舗展開している美容室のフランチャイズに加盟し、その店舗の一つとして独立するスタイルです。フランチャイザー(本社・本部)が、店舗の内外装、店舗運営のノウハウなどを提供してくれるため、初期労力はかかりません。場合によっては、加盟料が分割の場合もあり、金銭的にも始めやすいというメリットがあります。一方で、運営方針はフランチャイザーが決定するため、自分の思い通りの経営ができないという不満につながったり、毎月、加盟料金の支払いが必要になるなどのデメリットもあります。

独立②のれん分け

現在働いている美容室のグループ店の店長として独立する方法です。

フランチャイズと仕組みはほぼ同じですが、のれん分けの場合は、「働いている店舗から独立して系列店舗を出す」という特徴があります。

フランチャイズに加盟する場合よりも、自分の理想を実現しやすいメリットがあります。

独立③自由業

フリーランス、面貸しなど、自分の店舗を持たずに美容師業を行います。

多くの顧客を持っている美容師や、講師業を中心に活躍する美容師に好まれるスタイルです。

開業①店舗経営

自分でコンセプトを決めて、自分の店を持つことです。

店舗の経営、集客、スタッフの雇用・育成、掃除、洗濯など、全ての業務を行う必要がありますが、全てのことを自分の思い通りに実現することができます。

独立・開業を考えるときには、1年後、5年後を見据えたうえで、ご自身にあったスタイルを選びましょう。

どのスタイルが合っているのか分からないときには、転職エージェントまでご相談ください。

適性を見極めることで、あなたにあった独立・開業のスタイルを見つけることができます。

独立・開業の平均年齢

10年から15年の実務を経て独立・開業する方が多くなっています。

中学を卒業してすぐに美容師資格を取得した場合であれば25歳前後で、専門学校で美容師資格を取得した場合であれば30代前半で、それぞれ独立・開業のタイミングを迎えます。

独立・開業を目指すのであれば、30歳を目安に、一度考えてみるのが良いでしょう。

美容師の年収は45歳をピークに減少する傾向にありますので、年収が下がる前に手を打っておくのが善策です。

施術技術を向上させる

「希望のヘアスタイルに仕上げてもらう」ためにお客様はお金を支払います。

そのため、お客様の希望通りに仕上げる技術を持っていない美容師のところにお客様は来てくれません。

場合によっては、手直しを要求されることが増えて赤字となることもあります。

独立・開業する場合は、お客様を集められるだけの技術を持っていることは最低条件です。

日々、技術を高めておきましょう。

開業資金

ここでは、居抜きのテナント物件を例に考えてみます。
※居抜きとは、前に美容室をしていたお店が残していった器具や造作をそのまま利用する形態です。

店舗物件取得費 800,000円 店舗を借りるための費用
取得費内訳 前家賃 100,000円 前払費用
保証金 600,000円 家賃の6~12ヶ月分が相場
仲介手数料 100,000円 家賃の1ヶ月分
造作譲渡費用 300,000円 前の持ち主から造作を譲り受けるための費用
内装工事・美装工事 150,000円 内装を整える費用
運転資金 200,000円 広告宣伝費・人件費などの費用
合計 1,450,000円 開業に必要な費用の概算

このシミュレーションは、必要最低限のものしか含まれていません。

家賃の高いテナント物件の場合や内装に凝りたい場合には、それ相応の資金が必要となります。

しっかりと準備をし、できれば少し余裕を持たせておくのが理想です。

開業前のマーケティング

どのようなスタイルで開業するかと同じくらい大切になるのが、どこで開業するかです。

都心であれば、電車地下鉄を利用するする人が多いので駅の近くが有利です。

郊外店であれば、車で移動する人が多いので駐車場が確保できる場所が有利です。

来て下さるお客様の利便性を考えた店舗開拓をしておくと、長く愛されるお店になります。

許認可

美容室の開業には届け出が必要なものがあります。

申請書類の作成や講習に最低でも3ヵ月程度は掛かります。

できれば、半年程度の余裕があると、充分に事業プランを練る時間を確保することができ、許認可申請も余裕を持って開業できます。

美容師免許

美容室を開くためには、美容師免許を持ったスタッフが必要です。お客様の施術に携わらない場合には、美容師免許は必要ありません。

管理美容師

美容師資格取得後3年以上の実務経験を積んだ後、所定の講習を修了することによって取得できます。従業員を雇い入れる可能性がある場合には必須の資格です。

美容所開設届

美容室を開業する際には、美容所開設届を、各都道府県の保健所に届け出る必要があります。

開設届の内容は、各都道府県によって異なりますが、おおむね、下記の内容となっていますので、参考になさってください。

  1. 美容所の名称
  2. 所  在  地
  3. 管理美容師の住所・指名
  4. 美容師及びその他の従業者の氏名・免許取得年月日・免許証番号
  5. 美容師につき、美容師法施行規則(平成10年厚生省令第7号)第19条第1項第6に規定する疾病がある場合は、その旨を記載する。
  6. 開設予定年月日
  7. 同一の場所で現に開設し又は開設しようとする理容所
  8. 添付書類
    1. 美容所検査申請書(様式第4号)
    2. 美容師の健康診断書
    3. 管理美容師が美容師法(昭和32年法律第163号。以下「法」という。)第12条の3第2項の規定に該当する者であることを証する書類
    4. 外国人の場合は、住民票の写し(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第30条の45に規定する国籍等を記載したものに限る)
    5. 個人の場合は美容師免許証又は美容師免許証明書の写し、法人の場合は登記事項証明書

■開業までの必要期間
多くの方が、独立・開業までに半年~1年ほどの時間をかけています。

働いている状態で開業の準備をするのは難しいかもしれませんが、事前に物件の目星をつけておいたり、別のサロンへ通ってお客様の動向を観察したりしておくのがおススメです。

開業の際に融資を受ける場合には、審査に時間がかかることもありますので、2か月程度の余裕をプラスするのが良いでしょう。

独立、開業は、ゴールではなくスタートです。

充分に計画を立て、みんなに愛されるお店づくりを目指しましょう。



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