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すべての求職者必見!「社会保険完備」について解説
2025.01.16 UP
求人情報でよく目にする「社会保険完備」「社保完備」。働くうえで重要な条件となる「社会保険完備」と、「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」についてポイントを押さえておきましょう!
目次
1.社会保険とは?「社会保険完備」の定義を解説2.社会保険の加入条件
3.健康保険と厚生年金保険の役割
4.労災保険と雇用保険の役割
5.4つの社会保険、加入対象は?
6.社会保険完備の会社で働くメリット
1. 社会保険とは?「社会保険完備」の定義を解説
社会保険とは、病気やけが、失業などのリスクや老後に備えるための社会保障制度です。労働者を守るための必要最低限の保証制度で、勤務するサロンや会社規模によってそれぞれ加入が義務付けられています。
「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」 の4つに分けられますが、場合によっては「健康保険」と「厚生年金保険」の2つを社会保険と表現することもあります。
求人情報における社会保険完備とは、「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」 4つの社会保険すべてに加入 できることを示しています。
※介護保険は健康保険に含まれており、40歳からの加入となります。
2.社会保険の加入条件
社会保険の加入条件はそれぞれ違い、各保険の加入条件は以下のようになります。
健康保険と厚生年金保険の加入条件
健康保険と厚生年金保険の加入条件は基本的に同じで、「適用事業所に常時使用されること」です。
「常時雇用される」状態は、正社員であれば問題なくクリアできます。
パート・アルバイトでも、1週間の所定労働時間や1カ月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上である場合は加入可能です。
また、この「4分の3以上」をクリアできなくても、以下5つの条件をすべて満たすことで健康保険と厚生年金保険に加入することができます。
- 1週間の勤務時間が2カ月連続で20時間以上
- 給与が月額8万8000円以上
- 2カ月を超えて働く予定がある
- 学生ではない
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従業員が51人以上の会社である
※従業員が50人以下の場合は社会保険に加入することについて労使間で合意している
勤務時間:就業規則などで定められた始業から終業までの時間
所定労働時間:勤務時間から休憩時間を差し引いた時間
労災保険の加入条件
労災保険は パート・アルバイトを含むすべての労働者 に適用されます。
雇用保険の加入条件
雇用保険の加入条件は主に、以下の3つです。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
- 学生ではないこと(原則)
3.健康保険と厚生年金保険の役割
健康保険
医療保険の1つで、 業務災害以外 の病気やけがによって生じる経済的な負担を補助をしてくれるものです。病院の窓口でマイナ保険証を提示すると、補助された金額で請求されるのも健康保険によるものです。
※健康保険証は廃止となりました
また、補助だけではなく給付制度もあります。病気やけが、出産などで仕事を休業する場合、傷病手当金や出産手当金として、給与(賃金)の約3分の2の給付を受け取ることができます。
厚生年金保険
すべての国民が支払う国民年金にプラスして厚生年金を払うことになるため、将来もらえる年金の金額も増えます。
また、加入期間中に障がいを負ってしまった場合でも、障害基礎年金にプラスして障害厚生年金が受給できます。
もし被保険者が亡くなった場合は、遺族には遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金は子どもがいなければ配偶者には支給されませんが、遺族厚生年金は支給されます。
4.労災保険と雇用保険の役割
労災保険
業務上もしくは通勤途中 に労働者がけがや病気をした場合、本人やその遺族が保険を受けられる制度です。けが・病気の治療費全額を補償、障がいが残ったときには障害年金を支給、もし死亡してしまったときには遺族年金が支払われます。
正社員・パート・アルバイトといった雇用形態やサロンの規模に関わらず、特別な申し込みも必要なく、必ず加入します。
雇用保険
「失業保険」 のほうがなじみのある方が多いかもしれません。
雇用保険を適用している事業所や会社から離職すると、再就職までの期間に失業保険として給付を受けられます。
労災保険と雇用保険は、どちらも「労働保険」とも呼ばれ、万が一働けなくなったときに保障してくれる心強い制度です。
5.4つの社会保険、加入対象は?
「社会保険完備」といっても、4つの保険に無条件で加入できるのは正社員のみ。
パート、アルバイトなどさまざまな雇用形態があり、全員が4つすべてに加入できるわけではありません。働き方に応じて入れる保険をチェックしましょう。
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労災保険のみ加入対象
労働時間が週20時間未満の場合、労災保険のみ加入対象です。
家族の扶養に入っている方に多い働き方です。
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労災保険+雇用保険が加入対象
労働時間が週20時間以上であれば労災保険に加えて雇用保険が加入対象となります。こちらも扶養内で働きたい方が多いようです。
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労災保険+雇用保険+厚生年金保険+健康保険 すべて加入対象となる働き方
週20時間以上働き正社員と比べて4分の3以上の労働日数となる場合は、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険すべてが加入対象となります。しっかり働きたい、正社員を目指す方に多い働き方です。
ここで保険料の分担についてです。労災保険は全額が会社負担、雇用保険はサロン・会社と雇用者で折半、同じく健康保険や厚生保険もほぼ半分ずつ折半です。経営者側が半分支払ってくれるため、労働者の支払いも半分になります。給与やボーナスなど労働者が受け取るお金以外も経営者側が支払ってくれるため、求人媒体では「社会保険完備」と記載しているのです。
6.社会保険完備の会社で働くメリット
社会保険完備は安心して働けるバロメーターです。将来もらえる年金が増える、保険料の半分を会社が負担してくれるメリットがあります。
社会保険料は給与から天引きされるため、手取りが減って損に思うかもしれません。ですが、いざというときの補償が幅広い制度であり、総合的には費用対効果にすぐれているともいえます。
求人を探すとき、給与や休暇以外に「社会保険」についてもチェックすることが重要です。保険制度は苦手意識を持ってしまいがちですが、労働者を守る大切な制度です。基本的な知識だけでも持っておくと安心です。
健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険の4つの保険制度は、会社、サロンによってすべて加入できることもあれば、一部の保険には加入できない場合もあります。そのため、求人内容に「社会保険完備」と記載のある求人は安心して働けるめやすとなるでしょう。
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