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美容師の働き方・年収・技術
美容師のリピートに繋がるカウンセリング術!苦手克服のポイントも!
2021.10.25 UP

カウンセリングって何?お客様とイメージを共有するものです!

カウンセリングとは辞書で調べてみると「個人のもつ悩みや不安などの心理的問題について話し合い、解決のために援助や助言を与えること」と書かれています。


美容室でのカウンセリングも同様で、ヘアスタイルや髪質の悩みの相談にのりアドバイスをすることはもちろんですが、多くの場合は目指すヘアスタイルイメージの共有が目的とされています。


なぜ必要?カウンセリングの重要性

カウンセリングが必要な理由としては、お客様の要望のヘアスタイルを把握するためですが、それだけなら写真などを見るだけでもできてしまいますよね。


しかし写真を見て美容師がヘアスタイルを再現したとしても、お客様が自身で再現できなければ「イメージと違う」と思われるでしょう。


お客様が来店し次に来店していただくまでの期間、お客様に満足していただくためにもカウンセリングが重要なのです。


多くの美容師が感じるカウンセリングの「難しさ」とは

イメージを共有することは非常に難しいことです。例えば、髪の毛を5㎝カットしたイメージも個人で異なります。更に揃える程度のカットも1~2㎝短くなるイメージをする方もいれば、数mmのカットでほとんど変わらないイメージをする方もいるのです。


このような感覚の違いが「カウンセリングは難しい」と思う1番の原因かもしれません。


そしてカウンセリングが難しいと思ってしまう美容師の多くは、経験値が低かったりヘアスタイルの想像がまだ苦手なジュニアスタイリスト期間の方のようです。


筆者がジュニアスタイリストの時に担当したお客様の要望は、「はねないように10㎝切りたい」とのことでした。


カットをしているとお客様が「10㎝って、このくらいよね?」と人差し指と親指で示した長さは5㎝程度でした。「それだと5㎝くらいです」と伝えると「そう…でもこのくらいでいいわ」と言われました。


既にカットしていた部分から少しづつ長く残し、なんとか問題なく終わりました。この失敗から必ず髪の毛を掴み「10㎝だとこのくらいですが良いですか」と確認することにしました。


このように言葉と実際のヘアスタイルのイメージには違いがあります。イメージをより近いものにしていくためには、お客様と美容師で確認をしていく必要があるでしょう。


カウンセリングの流れやチェック項目をご紹介!

まずは基本的な情報から聞いておきましょう。


  • 前回美容室に行ったのはどのくらい前か
  • 美容室に来る頻度
  • 髪の傷みは気になっているか
  • 普段のスタイリングにかける時間
  • アレルギーはないか
  • 髪の毛の悩みはないか

そして施術内容によってカウンセリングは異なります。


【カット】


  • どのくらい切りたいか
  • どんなヘアスタイルにしたいか(写真での確認が良い)
  • 自分でスタイリングしにくい部分はないか

【カラー】


  • どのくらいの明るさが良いか
  • どんな色味が良いか(写真での確認が良い)
  • 希望の色は屋外で見た時の色か、屋内で見た時の色か
  • ホームカラーをしているか

【パーマ】


  • 希望のかかり具合(写真での確認が良い)
  • パーマがかからなかった、もしくはすぐ取れてしまった経験はないか
  • パーマをかけた時にどんなスタイリングをしているか

【縮毛矯正】


  • 好みのストレート感(写真での確認が良い)
  • 前髪にも縮毛矯正をかけるか
  • なぜストレートにしたいか

以上のようにポイントを絞ってカウンセリングしていく事で、お客様も答えやすくなります。


あらかじめカウンセリングシートを作り、お客様が待っている間に記入してもらう美容室もあります。話すのが苦手なお客様は、カウンセリングシートの方が伝えやすいケースもあるようです。


カウンセリングが苦手な美容師必見!押さえておくべきポイント

カウンセリングに対し苦手意識のある方に、ぜひ実践していただきたい5つのポイントがあります。


  • 聞き上手になる
  • お客様の立場になって一緒に考える
  • お客様の希望するヘアスタイルを色々な方向から考える
  • お互いのイメージが一致するまで話をする
  • 分かりやすい言葉で伝える

詳しく解説していきたいと思います。


聞き上手になる

美容師が良くやってしまうのが、話しているお客様にかぶせて話をしてしまう事です。


専門知識があるので、何も知らないお客様に違うと伝えたい気持ちも分かりますが決してやってはいけません。伝えようと話しているのに、話をさえぎられるのは良い気持ちではありませんよね。


お客様の話は最後まできちんと聞き「なるほど」と考えていることを理解する気持ちが必要です。


お客様の立場になって一緒に考える

カウンセリングが難しいと思っている方の多くが、お客様の立場になることが出来ていないようです。


理想の髪型と出来る髪型は違います。しかしお客様からの無理難題も「できない」ではなく「どうしたらできるか」を一緒に考えましょう。


共感し、一緒に考えることでお客様からの信頼度もアップしていきます。


お客様の希望するヘアスタイルを色々な方向から考える

「このヘアスタイルがしたい」「分かりました」こんなやり取りでは、お客様の要望に近づけることはできません。


どのヘアスタイルも、髪質や骨格の違いから向き不向きがあります。しかし、より近いヘアスタイルを再現するための様々な提案をしてみましょう。


提案をしてもらえることでお客様は「自分の為に考えてくれている」と思い、色々な相談をしてくれるようにもなります。


分かりやすい言葉で伝える

美容師同士なら分かる専門用語も、お客様には分からない事が多いです。例えばバング(前髪)やレイヤー(カットの技法)、コーム(くし)など仕事中に当たり前に使う用語も、知らない方がほとんどです。


SNSなどの情報発信が盛んになり、カラーのインカラーやバレイヤージュなどの写真がアップされています。しかし「バレイヤージュと言えばこうなるの?」「グレージュと言えばこんな色になるの?」と思っているお客様もいるでしょう。


しかし本当の意味合いを知らないことも少なくはありません。したがってお客様と話す時に専門用語は、簡単に変換して伝えることがポイントです。


お互いのイメージが一致するまで話をする

カウンセリングで多い一番の失敗は、お客様と美容師のイメージが一致する前に施術に入ってしまい、仕上がりに満足してもらえない事ではないでしょうか。


お客様はヘアスタイルに関して、漠然としたイメージしか持っていない方が多いです。そこを美容師が深掘りし、お客様にもハッキリとイメージしてもらう必要があります。


カウンセリングでイメージを一致させることで、お客様が安心して美容師に任せることができますし、美容師も自信をもって施術に入ることができるのです。


リピート客がつく!おすすめカウンセリング法

お客様が次に来店した時に指名してくれる理由の一番が「ステキなヘアスタイルにしてくれたから」です。


お客様に満足していただけるヘアスタイルにする為には、最初のカウンセリング以上に施術しながらのカウンセリングも重要になってきます。


例えば「クセ毛で多毛のため、梳かれすぎて爆発したことがある」このような経験をした方は多いのですが「多毛だから毛量をどうにかして欲しい」といった要望が強いことがあります。


要望に応えることは重要ですが、それ以上にデメリットを知ってもらうことも必要です。


カウンセリングは要望を聞くことと考えている美容師も少なくないですが、同時に相談に乗りアドバイスをすることも含まれます。


近年、新規のお客様と話をしていると「知らなかった」「聞いていない」そんな声を多く耳にします。


「流行りのカラーは褪色が早い」「デジタルパーマはドライヤーを使うことでキレイなカールがでる」など重要な情報を伝えないまま施術に入り、「すぐに色が落ちてしまった」「ウェーブがキレイに出ない」と不満を持たれてしまう訳です。


もし施術前にきちんとアドバイスがされていれば、他店を訪れることはなかったかもしれません。


いかにカウンセリングでメリットだけでなくデメリットも伝えられるか、ホームケアのアドバイスがきちんとできているかでリピート率は大きく変わってくるでしょう。


「よくわからないけど、雑誌にデジタルパーマと書いてあるからかけてください」このように仰るお客様がいます。


その時に普段ドライヤーを全く使わない方の場合、デジタルパーマのウェーブを再現することが難しいことを伝えておくことで「イメージと違った」と思われることを回避できます。


そして普通のパーマなら霧吹きで湿らせワックスを揉み込めばふんわりウェーブ、オイルやクリームを付ければツヤ感のあるウェーブが再現できると提案します。


その後どちらを選択をするかはお客様次第ですが、この情報を得ることでお客様が家に帰ってからの満足度は大きく違ってきます。


デメリットを話すことは非常に難しいことですが、伝えることで「イメージと違った」ではなく「聞いてはいたけどやっぱり難しかった」「普通のパーマをかけて手入れが楽だった」とお客様も思うことができます。


美容室に限らず、何かに失敗した時に「言っておいてくれれば良かったのに」と思うことがありますよね。


また来店していただくにはお客様に満足してもらうこと、そして信頼してもらうことが大切です。そのためにはお客様を知ろうと思う気持ちが必要不可欠なのです。


カウンセリングはヘアに関してだけでは不十分だといういうことです。ライフスタイルや好みなどもカウンセリングの一環として聞いていく事で、リピート率は増えカウンセリングに対しての苦手意識もなくなるでしょう。


カウンセリングで自分の悩みを美容師にうまく伝える方法

美容室でして欲しいヘアスタイルを説明したり、髪の毛の悩みを相談するのは多くの方が難しいと感じるようです。


3つのポイントを押さえておけば、美容師とのやり取りもスムーズに進んでいきます。


  • 希望のヘアスタイルやカラーの写真を数枚持っていく
  • 自分で髪の毛が扱いづらいと思う点をまとめて書いておく
  • 伝えることが得意ではないことを美容師に伝える

詳しく解説していきたいと思います。


希望のヘアスタイルやカラーの写真を数枚持っていく

ヘアスタイルやカラーなどはこれといった決まった形がなく、イメージやニュアンス的なものになります。したがって言葉で説明することが、そもそも難しいものなのです。


カラーの「茶色」と言っても、茶褐色、栗色、ミルクティー色など様々です。頭に浮かぶ「茶色」は何通りにもなるので、美容師とお客様のイメージを一致させるためには写真が一番明確になります。


ヘアスタイルの場合は、どの部分が特に気に入ったのかがはっきりしていると美容師により伝わりやすくなります。


例えば「手入れが簡単そう」「女性らしいシルエットが好み」「メリハリがあって良い」など、直感で感じたことでもOKです。


このように伝えることで美容師は、お客様の好みを知ることができます。もし希望の髪型は手入れが難しい場合、もっと手入れが簡単で女性らしいへスタイルを提案してくれるでしょう。


まれに写真ではなくアニメの絵を持ってくるお客様もいらっしゃいますが、二次元のヘアスタイルは非現実的なものが多いので再現が難しいかもしれません。


そして写真の場合も前から、横から、後からなど様々な方向からの写真があると分かりやすいでしょう。全てが写真通りでなくても「これよりも少し長く」等と目安になるので、説明がしやすくなります。


自分で髪の毛が扱いづらいと思う点をまとめて書いておく

「ヘアスタイルを美容師に伝えたのに全然思い通りにならなかった」このような経験は、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。


特に初めて行った美容室ではありがちです。その理由は美容師がお客様の要望を理解しきれなかったり、髪質や癖を理解しきれなかったなど様々でしょう。


これは美容師側の言い訳かもしれませんが、一度の来店でお客様の髪の毛を熟知することは非常に難しいことです。


少しだけお客様からヒントをもらえるだけで、よりお客様の要望に近付けることができるので「自分で自分の髪の毛をリサーチ」をしてみましょう。


  • 右側がいつもはねる
  • 前髪が割れてしまう
  • ブローが苦手で出来ればしたくない

このように普段感じることをまとめておくと話がしやすくなります。そして美容師からスタイリング方法のアドバイスがもらえたり、ブローしなくてもまとまる髪型の提案をしてもらえ、再現性の高いヘアスタイルが出来上がります。


伝えることが得意ではないことを美容師に伝える

もし説明が得意ではないと自覚している場合は、最初に美容師に苦手であることを伝えてみるのも良いでしょう。


「気にしていないから言わない」のではなく「気になっているけど言えない」と最初に美容師が知ることで、お客様に対する質問の仕方が変わります。


筆者が新規のお客様を担当させていただいたときに、ヘアスタイルに関する色々な質問をしたところ「適当で良いので短く切ってください」と言われた経験があります。


美容師側の良かれと思った質問が、お客様にとって面倒と感じることもあるようです。このようなことから、多くを語らないお客様の場合はある程度美容師が察する必要があると判断する美容師もいるでしょう。


残念ながら美容師にも様々な性格の方がいるので、最低限のカウンセリングしかせず後は想像で…という方もいます。しかし全員一致して思うのは「お客様に喜んで欲しい」そんな思いです。


初めての相手に心を開くのは難しいですが、自分のしたいヘアスタイルの為に美容師にお金を払うと考えてください。


伝えないことでお客様が損をする必要はありません。説明が苦手なら、美容師に上手に聞いてもらえば良いのです。


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